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世界文明

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2017年5月24日

中小企業対策も総合的に

中小企業白書が出た。毎年特定のテーマを掲げて深堀しているようなので、ないものねだりしてもしょうがないのだが、中小企業の労働力不足問題にもっと力をいれて取り組んでほしいと思う。ここには日本の社会の問題の多くが集約されていて、総合的な見地が必要だ。

まず労働力人口の減少の危機が指摘されるのだが、大企業に多数いる、単純労働しかさせてもらえない女性をもっと活用したらと思う。活用というのは、総合職に登用して活躍してもらうのが一つ、もう一つはIT化で単純労働は代用することで(つまり幹部が自分でやることが増える)、事務職の採用数はしぼる。大企業に行けなくなった人たちが介護や保育園などの仕事に向かうかというと、そこは大いに疑問があるにしても、例えば東大阪の金型製造企業などは、この頃は女子の労働者の方が信頼できるとして、大いに採用しようとしている。

もう一つは外国人を入れていくことだ。どういう分野に入れるか、どういう人材を入れるか、将来どういう滞在資格を与えて、年金、医療保険にどう組み込んでいくかまで考えてだ。めったやたらに入れると、欧州で起きているような問題が日本でも起きる。

もう一つは、既に言った、IT化、AIの活用を考えるということ。そしてその逆の問題として、「人間の使い方」(ロボットでできないことは何なのかよく考えて、それを人間にやってもらう)も考えないといけない。

あと一つ、忘れていた。それは、「大企業に終身雇用」というモデルの賞味期限が切れてきたということだ。大企業はどこでも投資銀行化、つまり自分ではモノづくりやサービスをせず、先端のモノ、サービスを考案したベンチャーに金をつけたり買収したりして飯を食っていく――こういうのがどんどん増えているのに、そこに毎年何百人も入社して、4月になると一斉に入社式をやって、一生そこで勤めていく、というやり方は、もうガラパゴスではないの、ということだ。


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