Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

世界文明

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2012年10月 5日

この頃はロシアのことが良く見えて

あの中国での日本企業取り壊しを見て以来、わがロシアのことが良く見えて仕方がなくなった。
英字紙などを見ていても、「ロシアでの投資環境はそれほど悪くない」という方向に世界の見方が変わってきている、などという記事が出ている。確かに。原油価格は高止まりしているし、ロシアの汚職のレベルも安定しているし(見通しが立つ)。

そして今度のAPEC首脳会議を見ていると、プーチン大統領の言ったこと、やったことがまともで、大向こうを狙っただけの大風呂敷があまりなかったことが特徴的だ。ロシアも疲れたか、またはアジアでは無力なのか、と思えるほど。
まあAPECの議長国として、北朝鮮の金主席を呼ぶとか、あまり勝手なことはできなかったのだろう。

ロシアは年末からG20の議長国になる。来年のいつだか知らないが、サンクト・ペテルブルクでG20首脳会議を主宰する。議長国だから、ルーブルや元を国際通貨にとか、そういうことは提案しづらいことだろう。

こうやって、ソ連崩壊からもう20年もたって、ロシアも次第に西側の戦後世界体制のなかに組み込まれつつあるのかもしれない。ぶーぶー言いながら。

中国はどうなるのだろう? 日本も欧米も、ああやって外国に敵意を煮えたぎらせているソ連のような国に、これまで一生懸命投資してきたことになる。それを止めて、昔ソ連経済を干した時のように中国を孤立させるか? 当時は「ココム」という国際取り決めが日米欧の間に結ばれて、先端技術をソ連に輸出することは禁じられた。これが本当に効いて、だからロシアは今でも高性能のジェット・エンジンの製造ができないし、半導体やコンピューターの製造技術でも決定的に後れたのだ。

それとも、中国人も次第に荒ぶる心を鎮めて、戦後世界体制の中に入ってくるだろうか? そういう流れも、あの国の中には強くあるし、他方ソ連のDNAとでもしか言いようのないマッチョなナショナリズムをぶち上げる軍人たちもいる。
今後どちらに転ぶかはわからない。

まあ反日暴動はインドネシアやタイでも昔、あったんだけど。それに中国のインターネットを見ていると、「暴力はいけない」とか結構落ち着いたやり取りも見られる。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/2292