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街角での雑想

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2015年8月 1日

中国の経済が風邪をひくと日本経済は

(以下はメルマガ「文明の万華鏡」第39号の一部です)

日本にとってもっと重要なのは、中国経済の停滞ぶりが益々明確になっていることです。上海株式市場の暴落は、習近平の腐敗一掃キャンペーンに抵抗する江沢民一派がしかけた部分があるかもしれませんが、中国経済の全般的な停滞傾向なしには起こり得ないことです。

中国経済については、人々はその表面に惑わされてきましたが、社会主義経済、あるいは国家資本主義経済というものは、死のキスのようなもの、表面的な成功に酔っているうちに、経済的合理性の無視や政府・党による過剰な介入、無責任な経済運営など、集権経済体制特有の毒がまわって確実な死に至るのです。

中国の経済がおかしくなると、対中輸出は日本の輸出全体の20%弱も占めているので、日本経済も当初は少しおかしくなるでしょう。しかし日本の対中輸出のうち半分以上(2013年の通関統計では輸出額上位10品目のうち部品、素材、製造機に類するものが9品目を占め、それだけで輸出総額の46%を占めていますhttp://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/y6_5.pdf)は、中国で操業する日本企業の工場が使う部品、機械です。これまで中国で生産して米国等第三国に輸出していたものは、ベトナムやメキシコのような国で生産するようにすれば、日本の輸出が極端に減ったままになることはないでしょう。

中国経済の停滞は、世界の政治地図を変えていきます。この3年、悪化の極みにあった日中関係は上昇機運にあります。習近平は9月には訪米を予定しており、ここでは南シナ海での岩礁埋め立て事件を通じて大きく悪化した、米国の対中観の改善に努めることになるでしょう。
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