Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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2010年4月24日

「デンマーク・モデル」を日本に? Ⅱ

寒さのなかでも、家のなかでは温かい、年末のデンマークはいかにもデンマークらしい。この国の最大の祭日はクリスマスなのだが、それ以降も休み気分は続き、大晦日でまた盛り上がる。この日は午前中から花火(その多くは音だけ出る、昔日本でよくいった「かんしゃく玉」みたいなものなのだが)が方々で鳴り始める。真夜中になるにつれて街は戦場のように、爆音、閃光、そして硝煙に包まれて、その中をヒュー、ヒュー音を立ててはミサイルのように花火が空へ飛び出していく。そして全てはMade in Chinaなのだ。

その喧噪のなか、室内は落ち着いたもので、夕方6時になるとマルガレータ女王が必ずスピーチをする。「今年はこういうことがありましたね」と言って、5大ニュースくらいを取り上げ(かなりが国際情勢とデンマークの関わりについてだ)、「みなさん頑張って今年も無事にのりきりました。良き新年を望みましょう」とかなんとか言うのだ。ブラウン管(液晶)のこちら側では、デンマーク人はこの女王のスピーチをけっこう楽しみにして待っている。紅白のように、これを見ないと年が終わった気がしないらしいのだ。

そして夜の零時直前になると、15分くらいのコメディーが始まる。召使ジェームスとその女主人の話で、戦争の頃にイギリスで作られた映画をもう何十年もこの歳末の同じ時間に流して、国の伝統にしてしまったのだ。もういい加減、耄碌して食卓にワインを注いだりしながら、いい加減な給仕ぶりをする召使の話が終わると、コペンハーゲンの議会■の時計塔が大写しとなり、12時の鐘がゴーン、ゴーンと鳴りはじめる。その時までにみんなはグラスを手に立ちあがっていて、鐘の音と同時に「新年おめでとう」と言いあっては、乾杯するのだ。部屋が大きいから、乾杯もしやすいし、ゆったりしている。

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