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政治学

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2011年3月15日

どうして通勤の足を止めたのか?

東北地方の方々が会っておられる境遇に比べればなんということでもないが、今日はひどい目にあった。朝の6時から西東京市の諸所に立つスピーカー(他の国では見たこともない、強制ラジオとでも称する全体主義的なもの。そこらにわんわんこだまして、何言っているのかわかったためしがない)で何かわめいている。多分停電のことでも言っているのだろうと思ったが、予定の時間になってもテレビはついている。

ははーん、この分なら電車も動くだろうなと思ってインターネットで調べると案の定、西武池袋線は動き出していた。そこで重い荷物をひきずって(家族が欧州に出発する日だったので。ABCに引き取りを頼んであったのだが、誰も来ず、何の連絡もなかった)駅に行き、超満員の電車の中で荷物を孫を守り、山手線がすいていたのでやれやれ間に合うだろうと思っていたら、京成線の入り口で「次に出るのが最終になります。成田まで行きません。どこまで行けるかもわかりません」と言い渡された。

それからがまた大変で、2度電車を乗り継ぎ、その間われわれを頼ってきた外人を見失い、佐倉で電車をおりてタクシーに乗ろうとしたら長蛇の列、I-phoneで近くのタクシー会社を調べて駅の公衆電話から電話すると(地震からもう2日経つというのに、Soft Bankの携帯は一向にかからなかった。NTTとの喧嘩の度が過ぎているのでないか)運よく一台がつかまって、長蛇の行列から冷たい視線を浴びつつ、成田空港まで40分、6000円もかけて出発した。

空港に着いたのが飛行機出発10分前、スカンジナビア航空のカウンターでは係員が全員待っていて、家族を連れて飛行機に速く乗せてくれた。スーツケースはもう搭載している時間がなかったので、明日の便で運んでくれることになった。

われわれを見失った外人はいったいどうしただろう。船橋あたりで行き詰って、にっちもさっちもいかなくなっていただろう。

電気が足りないから計画停電が必要なのはわかるが、どうして公共交通機関まで止めるのか?! 1945年3月10日大空襲の翌日には山手線が動いていたというのに、今回はどうしてわざわざ危機的状況を東京に作りだしたのか? 東京の流通はもう2日も滞って、店には食料品がない状況だ。電車が止まれば、流通に働いている人たちが通勤できなくなり、東京は飢え死にしてしまう。停電は、シミュレーションが全然不足している、拙速の措置だった。

多分、「公共交通機関にだけは電気を止めない」というようなことができない、電線設計になっているのだろうか? だったら、今回のことを奇貨として、重要な機関・施設(判断基準が難しい。しかし公共交通機関には文句なしに優先度を置くべきだ)には別立ての配線をしておくべきだ。

そしてひとまず落ち着いたら、今回のやり方のまずいところを大いに反省してもらいたい。今回は総理、政府がまず「停電をやる」と言って、実施は東電がやったのだが、東電内部の官僚化がひどいんではないのか? 今回見られたことは、危機の際にリーダーが全権を掌握して情報も完璧に集め、敏速な決定を行って行くという理想像の180度反対、誰か一人が責任を負う体制の不備に見える。

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