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政治学

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2014年4月28日

プーチンは攻勢なのか守勢なのか

クリミアを取り、東ウクライナをうかがうプーチンを見ていると、イラク戦争とリーマン不況で米国がすっかり弱ったと思い込んで、勝手気ままなことをしているように見える。

ところが、4月17日国民からの質問に答える恒例の「国民のダイヤル・イン」でプーチンは、「クリミアをNATOに取られると、ロシアは黒海での制海権、つまり南方での海への出口を殆ど失う」との趣旨を答えて、むしろ米国の力に対する警戒感を表明している。「米国はユーゴスラビアを解体し、その破片を好きなように操っている。ロシアも同じ目に会わないと誰が言えようか」という趣旨も、別の場で表明している。

まあ彼は相手を見て、また場の空気を読んで、ある時は強気、ある時は弱気の対米発言をするから、発言を額面通り取るのもいけないのだが、彼が大統領になった2000年の頃の圧倒的な彼我の力の差は記憶に刷り込まれているようだし、実際に米のイージス艦が一隻黒海に入ってきただけで圧迫感を感じているようなのだ。

ウクライナ情勢で彼は、情勢を欲しいままに操っているように見えるが、実は心は守勢なのかもしれない。

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