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政治学

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2012年11月 8日

民主主義の自家中毒 政権と議会のねじれ克服法

この頃は日本は、衆院、参院の間の「ねじれ」、アメリカは大統領と下院の間の「ねじれ」で、双方とも国債増発を議会に妨害されて野垂れ死に、という危険に直面している。民主主義の自家中毒とでも言おうか。あるいは、昔の英国やフランスのように、国王が増税を実現するために議会と争ったような、行政権と立法権の間の古典的闘争が再現されているのだ。
近世ならば、増税が認められなければ官僚とか軍隊が困っただけだが、今では国債発行が滞ると社会保障も止まって国民の多くが困ってしまう。

特に日本では、予算関連法案を人質にとることで、毎年政権の危機が起こり、総理が代わる。総理が代わっても、政権与党は代わらないので、結局は野党が国民を人質にとって、一時だけの得点を挙げているという、空しいと言うか有害なことになっている。

だから、ここは手続きを変えるべきなのだ。予算案について憲法第60条は、「予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。」としている。

例えば、予算関連法案もこれと同じ扱いにするのだ。そのくらいなら、憲法の解釈の範囲内だろう。但し、何が予算関連法案かというところは、明確に決めておかないといけない。

野党にとっては、「予算関連法案を人質に、あわよくば解散、総選挙」という手を禁じられてしまうのでいやだろうが、自分が与党になった時のことを考えれば、賛成してしかるべきだろう。だいたい、予算案審議で勝負がついたものを、予算関連法でまた蒸し返そうということ自体、姑息ではないか。

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