2012年2月 5日
アマチュアの音楽
時々、よばれてアマチュアのクラシックを聴きにいくのだが、この前面白い発見をした。
アマチュアの演奏で物足りなく感ずるのは、メリハリが効いていないからで、アマチュアの音楽家たちはそのメリハリを利かせる術を知らない、というか、足りないというか。全く違う楽想が現れても、その直前ではっと止まるでもなく、前のめり気味に前へ前へ進もうとするからしまりがない。
メリハリを利かせるには、息というのが大事なのだろう。プロのピアニストにすぐ横で演奏してもらうと、時々絞め殺される寸前のように音を出して大きく息をする。「息を吸って」、「はい、そのまま息を止めて」、「はい、息を吐いて」の要領で、彼らは「歌う」。ピアニストが声で歌っているのはグレン・グールドだけじゃない。息が切れるあたりがフレーズの切れ目、ということで、西洋音楽も意外に理屈ずくめではない。
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