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2017年6月 8日

南極観測船 宗谷

この前ゆりかもめに乗って新聞を読んでいて、ふと目をあげると、横の埠頭に「宗谷」が泊まっていた。船の科学館の横。懐かしい。
僕がまだ子供のころ、このオレンジ色の「宗谷」で、日本の南極観測隊は毎年出かけて行ったものだ。日本はまだ全然貧しくて、それでも南極に観測に行く誇りと悲壮さを、この小振りの船は漂わせていたものだ。砕氷船のくせによく厚い氷に閉じ込められて、アメリカの砕氷船が助けに駆けつけても駄目で、今度はソ連の砕氷船「オビ号」というのがバリバリと氷を割って宗谷を助けてくれた。その時は、ソ連というのは何とすごい、何と親切な国かと思ったものだ。

今調べてみると、この船はソ連との通商のためソ連通商代表部が発注して1938年進水している。言ってみれば万景峰号みたいなものだ。カムチャツカを母港にすることが予定されていた。それが戦争でソ連には引き渡されず、日本海軍の軍艦として徴用され、戦後は引き揚げ船、あるいは灯台補給船、次いで南極観測船として1956年から62年まで働き、次に巡視船に化けて退役した次第。この前井の頭公園動物園に戦後60年以上もいた象のはな子が亡くなったけど(筆者と同じ年の生まれ)、それと同じくらいご苦労さんと言う気分。

全長80米だから、ペリー提督の乗ってきたサスケハナ号とほぼ同じ。ペリーはこの「巨艦」で江戸幕府を圧倒したことになっているが、ヘリ空母「いずも」を見たらペリーも腰を抜かしたことだろう。

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