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2013年11月10日

ヴェルディの音楽

今年はヴェルディ生誕200年周年。オペラ上演はカネがかかるから、それほど祝われているわけではないが、昨日N響が演奏会形式で「シモン・ボッカネグラ」をやったので聞きに行った。指揮者はネルロ・サンティ。巨体をおぼつかない両足の上にゆらゆらさせながら舞台に出てきたが、音楽は素晴らしかった。しかも3時間暗譜で。

素晴らしいと書いたけれど、ヴェルディのオペラは筋がいかにも不自然なものが多い。恨みとか憧れとか、喜怒哀楽を無理にふり絞る。

そしてあの一種独特のヴェルディの音楽。ドイツのオペラの旋律は和声をベースに作られた構造的なものだが(特にベートーベンなど、分散和音を使っただけの、メロディーとも言えないもので大伽藍を構築する)、ヴェルディのはあたかも演歌でミュージカルを作りました、といった趣。流麗なメロディーがオーケストラのユニゾンでとうとうと流れる中、但し波頭にはピッコロが鳴り、太鼓がバンバン叩かれて、今にもトイレに駆け込まなければといった切迫感で奏される。

でもあの切迫感が病みつきになるのだ。

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