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街角での雑想

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2011年4月 8日

地震・津波・原発で内向きになりすぎないために

僕自身は、寄付以外には何もしないでいるので口はばったいし、それほど新聞・テレビばかり見ているわけでもないのだが、気になることがある。

――地震・津波の救護活動に出かけて行かれた個人、NPOの方々について十分の報道があるのだが、東電の下請けの方々、東電の現場の職員、消防とか、警察とか、海保とか、自衛隊とか、職務とは言え、生命のリスクを冒して連日連夜の激務に励んでいる方々について、なぜかあまり報道を見ない。それが仕事なのだから当然だと思っているのか、あるいは特に自衛隊については「軍隊はいけないもの」という戦後のタブーがまだ生きているのか?

公明正大な武力を持っているというのは、われわれにとって大変な財産だと思うのだが。これが泥にまみれて献身的な働きをしている時でさえ、目をつぶって認めようとしないことは、地震にたとえて言えばプレートの歪みを増やしているようなもの。戦前のように、いつかこのプレートが跳ね上がると、国を壊すことになる。存在と功績を認め、持ちあげすぎることもなく、下げ過ぎることもなく、法律に則ってきちんと処遇することが、自衛隊を公明正大な武力として維持していくうえで一番有効な方策だろうと思う。

そして、今回多くの国が救援に駆けつけてくれたのに、彼らの活動ぶりもあまりテレビで見ない。米国は「ともだち作戦」と日本語で銘打って、1万名もの兵力、空母をはじめ17隻もの艦艇を送ってくれたし、原子力の専門家・機材を惜しげもなく日本に投入してくれた。流石にこの数日、やっと報道されるようになってきたが、一時はまるで黙視しているようで、失礼なことだと思った。米国と同等になりたいのだったら、もっと仲間・友人として人間的に振る舞わないと駄目だ。

そして中国、韓国、ロシアなど隣国からの救援隊の活動ぶりも、テレビで見たことがない(ニュースを最後まで見ていないせいか?)。四川大地震で日本の救援隊の活動ぶりをあれだけ報道してくれた中国から、日本に救援隊が来たというのはそれこそ史上初めてのことだろうに、これについても沈黙か?  
地震・津波・原発でどうしても内向きになってしまうが、日本は世界のなかで生きている。外へ向けた視点も維持していかないと。

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