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街角での雑想

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2011年1月23日

英語教育は目的にかなった実質的なやり方で――絶対官僚的になる

小学生の英語教育とか、英語教師への英語教育などが強化されている。いいことだ。
でもそこは、昔ゼロから苦労して英語をマスターした人たちの意見を十分取り入れ、かつ教育現場で十分採用可能なものにしてほしい。

まず日本人全員が英語をしゃべれるようになる必要はないだろう。外国語を必要としない職業につく人もいるだろうし、現代に即して言えば、中国語も韓国語も重要なのだ。

今後海外に出たり、外国人とわたりあう職業につこうとする生徒たちには、妥協のない本当の英語能力を身につけさせることが必要だ。そしてそのような学科の大学入試においては、TOEFLの一定以上の点数を得ていることを条件とする。そのような授業のできる英語教師は数が限られているので(本当に英語ができれば、外資系とか商社に就職しているだろう)、商社や外交官のOBなどを試験、再訓練した後それなりの待遇で教師として雇用する。

英語教師を海外に送って研修させるプログラムが拡張されようとしているようだが、1年では足りない。そして何人もを海外での同じ研修コースに送り込むのは、絶対やめたほうがいい。日本語を使えない環境におくべきだ。英語を使わないと生きていけない環境が必要だ。

こういう環境は、日本でも作ろうと思えば作れる。たとえば、日本では方々に、英語で授業をする大学が増えている。ここでは外国からの留学生も多い。こうしたところに助成金をつけて英語を勉強する特別のコースを作ってもらい、英語国からちゃんとした人格の語学パートナーを多数招聘、寮でルームメートとして寝起きを共にしてもらうのが、英語に習熟するもっともいい方法だと思う。あるいはこうした施設をどこか山奥に作ってもいい。

僕もそうだったが、日本の外交官のほとんどは外務省に採用された時点では英語のヒアリングとスピーキングができないに等しい。アメリカの大学に行って寮に入ると、ルームメートがアメリカ人で、彼と会話ができなくと困ったところから、僕のアメリカ生活はスタートしたのだ。だから、英語ができないと生きていけない環境があれば、(読み書きが一応できる人は)10カ月目くらいから話す能力が急速についてくる(ヒアリングは一番難しい)。日本の教育界はたぶん、随分官僚的なのだろう。英語教育を強化しようということになったとき、何が起こるか。たぶん、画一的な研修とか留学コースの拡充で事成れりとするのだろうが、それでは予算の無駄遣いになること確実

これまで海外研修に送られた英語教師が、帰国後どんな目に会ったか。数が少ないものだから、同僚達の羨望とやっかみの的となり、「あいつはちょっとばかりアメリカに行ってきたことを鼻にかけて・・・」と事あるたびに言われたのだそうだ。「外国はがし」である。だから選ばれてもできるだけひっそりと外国へ行き、帰ってきてからも自分が英語ができることはおくびにも出さない――大袈裟に言えば、そのような地方もあったのだ。

だから英語教育の充実は、英語をゼロから学んだ人の体験を収集し、意見を聞き、それを教育現場で実行可能なやり方にまとめていってほしいのだ。

本当に待ったなし。これからは大企業でも本社を海外に移転するかもしれない。外国語ができないと、職業の選択肢が本当に限られてくるだろう。

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