Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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日本安全保障

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2012年10月28日

日本の安全保障パートナーはどこであるべきか?

このブログでは昨年11月から、「米国と中国の力の差が以前より縮まるなか、今後の日本外交の基本としては、次のどれがいいでしょうか?」という設問で、ワンクリック世論調査をしています。そろそろ新しい設問に替えようと思っていますので、今日時点での結果を報告しておきます。一人一回だけ、一つの選択肢だけを選んでいただいた結果で、440名の方が投票しておられます。10月28日時点で、

「今の軍備のままで中立」:15.15%
「軍備を整えたうえ(核武装なし)で中立」:15.15%
「核武装までしたうえで中立」:25.32%
「安全保障の基本は日米安保で。但し中国とも協力」:30.09%
「日本はアジアの国なのだから、中国と運命共同体を築き、欧米の干渉を許さない」:7.79%
「その他」:6.48%

これは、驚くような結果なのです。何らかのかたちでの「中立」政策を求める方々が実に55・62%を占めているということ、しかも25%は核武装を求めているということ、日米同盟支持は「日中同盟」支持の約4倍ですが、それでも30%にしか達していないということ。

私自身は日米同盟支持なので、この結果には驚きました。イラク戦争がかきたてた対米不信がリーマン危機でさらに強くなり、最近のロシア、韓国、中国の対日攻勢で日本人の多くがキレてきたということを意味しています。

しかし自分たちは戦争に行く気がないこの国で、中立を守ることはできません。中立は、「今日から日本は中立です」と言えば周りの国が「そうか」と思って大事にしてくれるものではありません。むしろ嵩にかかって、「日本むしり」にやってくることでしょう。ロシア、中国、韓国、北朝鮮、そして他ならぬアメリカという国々に囲まれた日本は、厖大な軍備がないと中立を守ることはできないでしょう。

古来、強国に囲まれた国は分割されてしまうことが何回もありました。ドイツ、ロシア、そしてオーストリア帝国にはさまれたポーランドは、18世紀末3度にわたって分割されて、一時は国が消滅する憂き目にあっています。

「核兵器を持ちたい。核兵器をもたないと世界では一人前ではない」という気持ちは日本に以前からありました。最近では、北朝鮮に侮られたくないとか、アメリカが頼りにならないとか、アメリカは日本に圧力ばかりかけてくるという思いが更に募ってきたのでしょうか、日本核武装化論は強くなっています。

北朝鮮相手なら、日本が核爆弾を持てば抑止効果があるでしょう。しかし日本向けに100発内外の核ミサイルを持っている中国に対しては、抑止力にならないと思います。たとえば尖閣で緊張が高まり、中国が核で日本を威嚇する発言をする。すると日本は「撃つなら撃ってみろ。こちらも撃ちかえすから」と言う。中国は被害をおそれて核ミサイルを使わない――これが核抑止ですが、国土の小さい日本は核攻撃を一発受けただけで、政治も経済もマヒしてしまうでしょう。

小国のイスラエルも核爆弾を持っているではないか、日本だって持っても大丈夫だ、と言う人もいますが、それはイスラエルの周囲の国々が核兵器を持っていなかったから、威張っていられたのです。だからイスラエルは最近、イランの核開発にあれだけ神経をとがらせているのです。

日本はアメリカと同盟するのがいちばん合理的。以前とくらべてはるかに自由にふるまうようになった日本人青年たちの、その自由を維持するためにも、アメリカの後ろ盾が不可欠です。
こういうことについて、日米の専門家たちは、日本の市民レベルと率直な議論を繰り広げていく必要があります。親しい専門家たちがいつも集まって、「こうなんだよな」、「こうしなければいけないんだよな」という手の、同じような議論を繰り返すのは非生産的です。

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