Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2009年1月18日

日本が金融立国?

もう1年前になってしまったけれど、ロンドン、パリ、ブラッセル、ボンと回った08年1月末旅行のことについて、随想を書き残しておく。今まで忙しくて、メモが机の上で埃をかぶっていたのだ。
この旅行での表向きのこと、つまりEUは超国家なのかどうかについては、当時の報告書http://www.akiokawato.com/ja/cat3/eu_1.phpを御覧いただきたい。

金融立国? イギリスでもできないものをどうして日本が
もう昨年1月からサブプライム破裂のあおりで、ロンドンのシティは青息吐息だったのだが、聞けばシティーからの税収は英国政府税収の30%を占めていたというではないか。これにはたまげた。この税収の30%のかなりが、これから1年以上は入ってこない。

やはり金融立国というのは、水物のところがある。それに、日本は今の英語水準じゃ、金融立国などとてもできない。例えば外国企業が東京株式市場に上場したい場合、厚さ数センチもの申請書類を出さなければいけないのだが、これを英語でやられたら、日本の役人は音を上げる。では日本語で出せ、と言うと、今度は外国企業の幹部が音を上げる。日本語の翻訳が正しいのかどうか、どうやってチェックしたらいいんだ、というわけ。

モノづくりとモノの輸出は、英語があまりできなくても大丈夫だが、頭脳労働となると話は別なのだ。僕は日本人全員が小学生の頃から英語を勉強するべきだとは思わない。ただ、将来国際的に活躍したいと思う人達は、小さい頃から高い水準の英語力をつけなければならない。

で、シティーは閑古鳥が鳴き、政府は国民の雇用を守るために、英語のできない外国人へのビザ発給数を絞るに至った。ところがこれであおりを食ったのが、日本人のスシ職人。というわけで、ロンドンの食文化はまた19世紀に退歩?

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