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世界はこう変わる

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2022年2月 2日

トランプ バイデン時代からの卒業

(これは26日発行のメルマガ「文明の万華鏡」第117号の一部です)

 トランプが負けたことで、米国は以前の姿を取り戻すかと思ったが、無理なようだ。「他国のことは構ってられない。きれいごとは言ってられない」というのが、米国での大勢になったままだ。米国の白人の大多数はまだバランスの取れた姿勢を維持しているが、トランプ支持の一部の白人の言動は、一昔前の南アフリカでアパルトヘイト維持を叫んで暴力に訴えた白人と同じで、とても賛成できない。米国は民主主義の護持者だと思っていたが、これではロシアや中国と同列だ。

 民主党も、分配至上の左派が騒ぎすぎて、党全体の足を引っ張り、労働組合も労働者の権利より幹部の地位と富の復活のために復権を求めている(いくつかの州では労働者を組合に強制的に加入させるのを禁じている)。労組の勢いが復活すれば、組合は経済をがんじがらめの規制で縛って窒息させてしまうだろう。1970年代の米国製造業の海外への流出の一因である。

 だから、この頃の米国では「これでは内戦必至」という声が高まっている。多分、そうはならないだろう。「武装白人」も一つにまとまっているわけではないので、大きな兵力にはならないからだ。中には、「政府がワクチン接種とか何か強制してくるのは、自分の自由を侵害するもので、米国建国の精神に反する」というもっともな立場から、銃を持って時々集まっている者たちもいる。

 ー-と書いたところで、24日、面白い世論調査結果を目にした。AP-NORCの調査だと70%の者は、バイデンには2024年立候補してもらいたくないと考えており、72%はトランプの「Make America Great Again」にもう一度期待しているわけではないと考えている。不毛の対立に厭き厭きしたのかもしれない。プーチンがウクライナに侵攻したりすると、米国民は覚醒してまとまり始めるかもしれない。プーチンは自分の国は改革できず、かえって化石化してしまったが、米国の活性化には成功するわけだ。

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