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世界はこう変わる

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2018年9月30日

旧ソ連諸国での紛争要因

旧ソ連諸国での紛争要因が目立つようになっている。米国やロシアの介入を招いて大きく国際問題化したり、日本の利益に関係してくる可能性はほぼないが、地域の力関係をかなり変えていくことは考えられる。

そこで、旧ソ連地域で今紛争がらみになっている場所を簡単にまとめてみた。なお、バルト諸国は「ロシアの脅威」をつとに叫んでいるが、NATOは既に同地域でのプレゼンスを強化しているし、ロシアとの関係はコントロール下にある。中央アジア、ベラルーシも国際紛争に発展し得る要因は抱えていない。

1) モルドヴァ
  この国はマフィア的実業家プラホトニュク(Plahotniuc)に、政治・経済両面で牛耳られてきた。彼は与党人民党を率い、これまで親EUを標榜して親ロのドドン大統領(同国では首相が実権を握る)との対立を演出してきた。しかし、来年春の総選挙を前にして反対派が集会を続ける等、対抗姿勢を強めてきたため、8月27日には初めて機動隊を用いて集会を弾圧。同時にドドン大統領とロシアに近づいて、権力の保持をはかりつつある。モルドヴァはウクライナの南端部にあり、ロシアにしてみればウクライナを南方からも脅かすことのできる格好の戦略拠点ではある。従って総選挙周辺時期は、プラホトニュク+ロシアと反政府+西側の構図が露わとなり、モルドヴァが東西対立の場として浮上する可能性がある。

2)コーカサス三国
  アゼルバイジャンにあるアルメニアの飛び地ナゴルノ・カラバフ、アルメニアにあるアゼルバイジャンの飛び地ナヒチェヴァンを中心に動意がある。5月初旬、反政府デモの結果首相に就任したパシニャン・アルメニア首相は、西側寄り姿勢を見せ始めたことで、ロシアの反発をくらっている。アルメニアに基地を持つロシアの師団が同国の安全保障に大きな意味を持つが、そのロシアがアルメニア支持を緩めると、アゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフ攻略に出てくる可能性がある。アゼルバイジャンは同時にナヒチェヴァンの守りを強化し、国境を接するトルコとイランを結ぶ鉄道整備を進めるかもしれない。トルコとイランが陸路で直結する(両国は国境を直接接しているが、ここは急峻な山岳地帯であるため、ナヒチェヴァンがほぼ唯一の陸路となる)ことは、地域のバランスを大きく変える。

他方、ジョージアは悲願のNATO加盟を表向き棚上げし、NATOとの協力を実質的に進めることで実を取ろうとしている。これまでは米国主導で数カ国がジョージアとの共同軍事演習を行ってきたが、来年3月にはNATOが初めて共同軍事演習を行うこととなっており、これにアルメニアが加わろうとしてロシアの神経を逆なでしている。2008年のグルジア戦争の結果、ジョージアから分離を宣言した南オセチア、アブハジアにはロシア軍が常駐し、ジョージア本体との境界を示す柵を動かしてくる等、挑発行為は日常絶えないし、両「国」では地元政治家が利権・勢力争いを繰り返し、中にはロシア軍を使っての「領土」拡張をはかる者もいる。

これら一連の動きに、欧米諸国が介入してくると(アルメニア系移民は欧米諸国で強いロビーイング力を持つし、ジョージアもかなりの訴求力を持つ)、コーカサスは国際紛争の場となるだろう。

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