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世界はこう変わる

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2018年8月16日

敵は敵でないということにすれば、安保体制は不要か

(これは、7月25日に「まぐまぐ」社から発売したメール・マガジン「文明の万華鏡」第75号の一部です。このメルマガを毎月早く入手されたい方は、http://www.japan-world-trends.com/ja/subscribe.phpにて、講読の手続きをお取りください)

トランプがやっていることは、米国大衆の素朴な疑念を実現したものだ。北朝鮮にしてもロシアにしても、「なんで対立する必要があるの? 米国がいじるから彼らが怒るので、放っておけばいいじゃないか」という素朴な疑問。

これはその通りだと思う。大衆に任せておけば、他の国との紛争はせいぜい水争い、あるいは漁業紛争くらいにしかならないが、そこに国王とか議会とか要するに「エリート」と呼ばれる者が登場すると、彼らは相手の国の利権を根こそぎかっさらうこと、つまり戦争を考えるのだ。

典型例は古代アテネで、あそこは武具を購入し、自ら戦うことのできる裕福な市民だけが「アテネの民主主義」の構成要員。現代のブッシュ大統領は、「民主主義国は戦争しないので、中東を民主主義国に変える」と言ってイラクに攻め込んだのだが、古代アテネは「民主主義国だから戦争を好む」という、逆の典型例だったのだ。裕福な市民は自ら戦士として他の都市国家を征服、そこの市民は奴隷として売り飛ばし、財産は略奪したのだ。そのあたりは、トゥーキュディデースの「戦史」に活写してある。これは平家物語を上回る、哲学的、かつ実録的な古代ギリシャの記録だ。

それは現代でも同じ。米国でもロシアでも、大衆は平和を望むが、エリートはいつも戦争の準備をしている。そういうところにトランプが出てきて、北朝鮮やロシアと手を握ると、大衆は安心するのである

こうなると、米欧同盟=NATOは成り立たなくなるし、日米同盟もあやふやになる。もっとも日米の場合、トランプにとって中国はロシアよりはるかに敵性の強い国だろうし、第2次大戦で米兵16万人もの血で贖った在日基地を簡単には手放すまい。ここは日本政府からの年間2000億円に上る思いやり予算のおかげで、米本土より安価に米軍を保持しておける土地なのだ。

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