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世界はこう変わる

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2017年10月 4日

トランプ再選の予感  トランプはアメリカの地

(これは、9月27日に発刊したメルマガ「文明の万華鏡」の一部です)

米国トランプ政権・まろびつ転びつ――荒くれ白人の考えはどこまで今の世で通用するか

 CNNをいつも見ているが、この頃は本当にひどくて、トランプ批判のおしゃべりばかり。かつてはCNNを見ていれば、世界で起きていることが随分わかったが、今ではCNN国際版ですら国際ニュースは限られていて、シリア、ウクライナなど紛争地で起きていることさえ皆目わからない。その点は、これまで紛争地には行かないようにしていた日本のテレビ局が大胆になって、まだ取材力は全然ないにしても、とにかく現場からレポートしようとする姿勢に感心する。

しかし、そのトランプ叩きは9月になって大ハリケーンが相次いでやってきた時から一時止まった。しかも6日にはトランプが議会の民主党幹部と直談判して、政府の債務上限引き上げについて合意したことが、彼の殆ど初めての前向きな成果として目立ち、批判勢力も一時戸惑った。

しかしトランプは調子に乗って、懸案である税制改革や非合法移民追放の問題まで民主党幹部と直談判し、「合意に達した」と発言してそれを民主党から否定され、共和党幹部達からも自分たちを差し置いて勝手な合意をして、と総スカンを食うに至って、この「民主党幹部と直談判」という伝家の宝刀も折れてしまう。今日あたり、大統領と議会共和党は、税制改革案で合意を発表すると言われるが、オバマケア(オバマ時代の国民皆保険制度)の見直しを決めないと歳出額が確定しないから、来年度の予算案も確定しない。

そうすると10月から始まる新会計年度は暫定予算でしのぐことになる。一部、予算が足りずに閉鎖される政府機関も出てくるだろう。

並行して、ロバート・ムラー特別検察官が率いる、トランプの「ロシア疑惑」の方の捜査も進んでいる。これまで殆どリークがないことが真剣さを窺わせて、かえって不気味だ。

またトランプとその一族のビジネスは(ロシアとは無関係に)公私混同、あるいは暗黒勢力との結びつきをいつ大きく問題視されるかもしれない。トランプのビジネスの大宗は、「トランプ」という名前をつけたビルの建設を許すとともに、名前の使用料として大枚を巻き上げるというものだが、これは一部では暗黒勢力等によるマネロンに利用されている可能性がある。ロシアでは、トランプ・タワー建設まで話は進んでいなかったが、いずれかの国の暗黒勢力が不正収入を「トランプ・タワー」建設で正当化、その謝金をトランプに払うというやり方なので、言ってみればトランプはマネロンに加担して、不正な資金をポケットに入れてきたということになりかねない。そして何か大きな不正が発覚すると、トランプとその側近は偽証罪に問われ(これまで、何も悪いことはしていないと言い張ってきたので)、議会で弾劾の動きが始まるかもしれない。

また米国憲法修正第25条4節は、「副大統領および行政各部の長官の過半数または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申し立てを送付する時には、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする。」と定めているが、この大統領暗殺の場合に適用されてきた条項を、大統領の精神状態がおかしい場合にも適用しようという案が冗談半分語られている。トランプが共和党茶会系保守派を真剣に怒らせると、ひょっとしてこの条項が実際に適用されることもあり得る。

トランプは米国の一部の代表――再選もあり得る
しかしトランプの言動は、実は米国社会のツボをしっかり抑えている。人はいろいろ言うが、彼の力を頼んだ強引な言動、ウソも混ぜての敵への罵詈雑言などは、米国白人を中心に、米国では日常見られるものだ。不正問題が火を噴かなければ、そして70歳を超えた彼の健康に問題が起きなければ、中間選挙での勝利、大統領再選も十分あり得る。

もう一つ、彼の多用するツイッターは、世界の政治のやり方をかなり変えていくことになるだろう。ラジオが登場した時、ルーズベルト大統領はこれを最大限に利用し、毎週国民に語り掛ける時間を作った。戦後はテレビ全盛で、多くのことはテレビを中心に回っている。

今これにツイッター、フェースブック、ユーチューブなど、個人が自ら「マスコミ」に化け、政治のあり方を変えている。もっとも、自分のツイッターやYoutubeの投稿を見てもらうためには、一般のテレビ番組などで名前を売っておくことが必要なので、大きな変化はないとも言えるのだが。筆者自身、一向に見てもらえないブログwww.japan-world-trends.comを主宰していて、つくづくそう思う。

FRBをどうするのか―――それが問題だ

6日、これまで米連銀FRBで大きな発言権を行使してきたフィッシャー副議長が突然、辞任の意向を表明した。背景には、トランプ政権が進める金融規制の緩和(リーマン金融危機以降強化された、銀行と証券業務の間の敷居を、また撤廃しようとしたもの)に反対してのものと言われるが、金融規制の緩和はドルを市場にあふれさせてドル安の方向に導く可能性がある。また来年2月には現在のイェレンFRB議長の任期が終了するが、トランプがその後任に誰を据えるか、現在読めない状況になっている。

一方で、トランプは輸出を振興し、輸入を減らすためにドル安を望んでいるという報道も見られる。そうなると現在中国が人民幣を切り上げる方向で政策運営していることと相まって、中国がドル・ベースのGDP規模で米国に急速に追いついてくるだろう。他方、米国は、円安の維持を望む日本の安倍政権と、通貨の切り下げ競争をすることになり、ユーロ独歩高となる局面もあり得るだろう。もっとも、22日のドイツ総選挙で与党が後退、メルケルがどこまで指導力を発揮できるか不明なことから、ユーロも少し足踏みしている。
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