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世界はこう変わる

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2015年4月21日

在米日系企業は70万人以上を雇っている

米国と言うとすぐ「人種差別」を思い浮かべる日本人がいまだに多いが、逆の現象として世界の諸民族が米国内部で発言力を高めていることは気づかれていない。米国籍を持つ中国人、韓国人は日系アメリカ人の数をはるかに上回り(中国系米国人は350万人強、韓国系は150万強、日系米国人は80万強)、彼らが集中して住んでいるカリフォルニアなどでは、白人の議員も彼らの意向を尊重しないと当選できない。マイク本田議員のように、地元の韓国系コミュニティの意向を代表している日系議員もいる。

この「人数の劣位」を何とか補う手はないものかと思って、以前から注目していたのが在米日系企業が雇っている米国人のことだ。僕がボストン総領事をしていた1997年の頃、その数は70万人で、これはかなりの政治力になると思ったものだ。実際、1987年東芝機械がココムを無視してソ連に先端工作機械を輸出し、「これで作ったスクリューを備えたソ連の潜水艦が静粛になって、探知ができなくなった。どうしてくれる。」というわけで、米国に大変な制裁金を課されそうになった時、「ソ連の潜水艦は東芝機械の機械を入手する以前から静かになっていた」という情報を担ぎまわって議会の消火をしてくれた米議員がいた。聞いた話では、彼は東芝の在米工場の地元を選挙区とする議員で、その工場に勤める米国人従業員とその家族たちから切々とした訴えを受け、涙を流して支持を誓ってくれたそうだ。

在米日系企業に働く米国人達が、慰安婦の問題とか南京虐殺の問題などについて運動してくれるとは思わないし、そのようなことに利用するべきでもないが、悪意に基づく反日的言動が米議会で取り上げられるのを抑止する力にはなってくれるだろう。
そこで現在の人数を知りたいと思っていたら、JETOの昨年12月"New American Policy"の7515号に次の数字が乗っていた。米商務省統計をもとにしている。

1)2012年、外国企業が株式の過半数を所有する在米子会社による輸出は、米国全輸出額の21.6%。うち日系企業は筆頭の地位を占め、米国の全輸出の4.4%を占めている。そしてそれは自動車だけでなく、化学、機械、エネルギーなど幅広い。
2)雇用者数では日系企業は英国系企業による96万人に次ぐ2位で、71万8、900人を雇っている。非農業部門雇用者数1億3,410万人のうち、外資系企業が占める割合は4.3%。
3)日系企業による雇用者が多いのはカリフォルニア州の11万、オハイオ州の5.3万、インディアナの4.1万、イリノイの3.91万、テキサスの3.82万、テネシーの3.4万、ケンタッキーの3.33万等である。

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