Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2015年2月16日

ユーラシア情勢メモ 2014年12月から15年1月まで

いつもネットの露文、英文情報からデータ・バンクを作っているが、死蔵していてももったいないので、アップしてシェアする。これは旧ソ連諸国の動きを中心にしたもの。
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NIS
★15、1、10
移民庁によれば、ロシアへの出稼ぎ、1月初旬は昨年同期比70%減。ルーブル下落と、新規則が原因だろう。

★4、12、23 AP
16日、最終首脳間合意。「1月1日にはロシア、ベラルーシ、カザフスタン、あるめにあ、キルギスがユーラシア経済連合を発足させる。自由貿易の他に、財政・金融、産業、農業、労働市場、運輸政策を調整」
しかしルカシェンコ、反発。「そんなこと言ったって、ロシアはベラルーシからカザフへの食品の通過を一方的に止めたじゃないか」(ベラルーシがEU食品をロシアに運んでいるのに対して、ロシアはベラルーシ産牛乳、食肉の輸入を停止。カザフスタンへのTransitとなっているものも止める。実際にはその多くがロシアで販売されてしまうため。
例によって下らないドタバタ劇が舞台を変えて始まっただけのこと)

★14、12、19 Interfax
(出稼ぎ)
移従者連盟長ムハメド・アミン、「1月には25%がロシアを去ろうとしている。ルーブル下落、そして1月からロシア語、歴史の強制試験が始まること」
(信憑性薄い。しかしテスト(3万ルーブル)を逃れるために、「ロシア国外へすでに移住した」かっこうを取る移民は増えるだろう。つまり地下移民の比率が増えるということ。いたちごっこだ。法治国家にしようとしても、これまでの惰性でみなが法をかいくぐり、法治国家をいつまでも実現させてくれない)

・2013年国連統計によれば、ロシアには1100万の移民。米国の4580万に次ぎ、世界2位。

★14、12、17 
ロシアへの出稼ぎ者、大量出国との噂が広がっているが、事実ではない。ルーブルがだめにでもならなければ。
他方、2022年World Cupのあるカタールなどでは出稼ぎ者の需要大。

★14、12、18 James
アルメニアのAbrahamyan首相、グルジア公式訪問。首相と話す。1月からEEUに入るので、調整必要。グルジアはEUと連合協定に署名している。
しかしアプハジア経由鉄道再開は「先の話」、ダゲスタンのKakhetiからグルジアのKakhetianに至る東西ハイウェー建設(アルメニアにとっては、ロシアへの新たなアクセスになる)もグルジア住民がイスラム・テロ移動を促進するとして反対。
(12、15 Jamesによれば、これはグルジアとアゼルバイジャンの国境地帯、トビリシ近辺を通る。アルメニアとナゴルノ・カラバフにも近い。ロシアは、アルメニアへの陸路を得ることができる。そしてもともと、2008年2月プーチンがダゲスタンを訪問して突然発表したもの。ダゲスタンとグルジアの国境地域にはAvar人が住んでいる。)

・さらにグルジアのSamtskhe-Javakheti地区に住むアルメニア系住民保護の問題も。教会の所有権、言語教育、スターリンに追放されたMeskhetian Turksの帰還問題。
グルジアはここのアルメニア人を「欧州モデル」に従って近代的に感化しており、アルメニアの青年の間では好感高い。

★14、12、8 K
ロシア鉄道、10月に経済産業省に政府助成金を拒否されたこともあり、「引き合わない」としてアゼルバイジャン、カザフスタン、タジキスタン、ウクライナ線停止を検討中。

★14、11、26 James
15年1月から、タジク人は国内旅券でロシアに入国はできなくなる。2012年12月プーチンが、NIS全般についてそうしろと発言したのがきっかけ。
(今回なぜタジクだけなのかは不明)
★15、1、31 Centrasia
CSTOに「兵器輸入代替委員会」があり(前から?)、これをロゴージンの発案で各国の軍需担当副首相が担当することになった。目的はウクライナの兵器代替。ロシアは、アルメニア、ベラルーシ、キルギスの工場使用に関心。
  
★15年1月
ルーブル下落はNISの通貨にも影響。切り下げ相次ぐ。
最も強力なのはアゼルバイジャン。カザフスタンほどには原油下落の影響を受けていない。

★14,12,24
23日、首脳会合、「ユーラシア経済同盟」の来年1月の発足を確認。10月にはアルメニアも創設条約に署名、23日の首脳会合で新たにキルギスが署名。
〇ルカシェンコ大統領は18日、対ロ貿易を従来のルーブル決済から米ドルかユーロに切り替えるよう要求。

アゼルバイジャン
★14、12、8 James
アゼルバイジャンで南部のTalysh人向けのテレビ開始。キリル文字。モスクワの息がかかっていうのだろう。ロシアは北部でもAvar,Lezginを支援して、騒動の種を蒔いている。

アルメニア
★15、1、16 James
12日、第2の都市、Gyumriでアルメニア人一家6名、射殺される。容疑者はロシア兵士。ロシア軍が収監したため、アルメニア世論沸き立つ。地位協定では、基地外での犯罪はアルメニア官憲が捜査権。

★15、1、5 James
通貨Dram、年末にルーブルに合わせて下落。1ドル414(11月6日)から527(12月17日)に。
→インフレ率上昇。
・1ー10月、中銀は外貨準備から7、14億ドルを売却して介入。
・ロシアからの送金減少。
・1月1日からユーラシア連合に入るので、対西側関税上がる。これもインフレ要因。


ベラルーシ
★14、12、26 Malashenko
ロシア経済の窮状で、ルカシェンコ、ユーラシア連合発足のための値段をできるだけつり上げようとして、ロシアを怒らせる。
・ロシアとの国境での税関を実質的に復活させている。
・そしてウクライナでの「仲介」ではEUと米国に恩を売り込もうとしている。

★14、12、23 WSJ
外貨取引に30%の臨時課税。利子率を24%から50%へ。
輸出業者は外貨収入の半分を白ロシア・ルーブルに換えるよう義務づけ。
・本年、白ロシア・ルーブルは対ドルで13%しか下落していない。

★14、12、19 Centrasia
ベラルーシでも、外貨への換金パニック始まり、人々は西側消費財の買いだめに走り始めた。

★14、11、10 James
「ソ連的」一言では片づかない。若者はモダンに。アップルの有名アプリを開発したApalonとか。ミンスク郊外の中国団地は第1期完成しつつあり、Huawei等入居予定。

モルドヴァ
★14,12,2
親欧米派、過半数見通し。モルドバ議会選 第1党は親ロ派。定数101、親欧米派3党が僅差で過半数。連立政権を維持する見通し。比例代表制。
〇フィラト自民党党首は「欧州への道を歩み続ける」と表明。
〇親ロ派野党の社会党が26議席を獲得して第1党。欧州統合路線の一部修正を訴えた共産党も21議席を取り3位。

★14年12月 James
2012ー13年、共産党からIgor Dodon、Zinaida Greceanii(共産党時代の首相)等脱退、それまで泡沫だった社会党を強化。総選挙前に訪ロしてナルイシキン、プーチン等と会見。モスクワは共産党と社会党の共闘を働きかけるが、もともと共産党を信用していないので、共産党に不利→社会党、単独で出馬。大勝利。
21%の票を獲得、ゼロ議席から26議席へ。最大野党となる。
親ロシア勢力を基盤(モルドヴァ政府支配地域では78%がルーマニア系なのだが、社会党の候補者の42%はロシア語系)とし、中立政策を標榜。
・Dodonは1975年生まれ。ビジネス出身。経済貿易相、副首相(2005ー2009年)。

★14、12、10 James
11月30日総選挙で、金持ちVlad Plahotniucの民主党(議長はLupu)、これまでの19議席から23議席に躍進。手持ちの4のテレビ局のおかげ。
これまでEUとロシアの中間の立場で、自分のビジネス推進。そのため司法関係のポスト独占。Plahotniuc自身は、あまり演説しない。
・民主党は連立第2党。第1党の自民党は明確にEU路線。
他方、民主党はロシア資本も招く。空港を売り渡したのも彼らだし、経済相Andrian Candu(Plahotniucの名付け息子)が民主党で、鉄道、電話、農地も売り渡す用意。
・連立第3党の自由党は13議席(前回12議席)。ルーマニア系住民の党。党首Mihai Ghimpuは甥のチシナウ市長Dorin Chirtoacaに家督を譲りたい。


中央アジア

★15、2、6 James
      「アフガニスタンからイスラム国がやってくる。アムダリアでくい止めろ。カザフスタンとの国境も強化しろ」をアフガニスタンのロシア代表カブーロフが吹いている。
(イスラム国でなくてもタリバンでも)中央アジアには脅威。そしてロシアにも。ロシアはウズベクの債務を帳消しにして兵器を供与したり、インドに兵器を売ってそれをアフガン政府に供与させたり(The diplomat.com 2.10)措置を取っている。
そしてカディロフはチェチェン兵をプーチン警護や中央アジア防衛のために供与する姿勢を表明している(Interfax,12、29)。
ショイグは11月、中国に対して米国の色付き革命、イスラム・テロに対する共闘を呼びかけている(11、18 Interfax)。

・まるで、ウクライナ、北コーカサスに加えて中央アジアにまでは手が回らないとして、中国を安保面で引き込んでもかまわないと言わんばかり。
★15、2、2 IA REGNUM
中国、2013年の契約に基づき、中距離対空兵器HQ-9数器をウズベク、トルクメンに供与。これまで中国はウズベクに攻撃用無人機Pterodacty-1(Yilong-1)を供与。

★15、2、1 Ogonek
(1月、ロシアへの外国人の流入は70%減少したと報じているが、なにに比べて70%なのか不明。それに中央アジアだけではない)



ウズベキスタン

★15、1、6
ルーブル下落のためか(?)、小麦粉、乳製品等、50ー60%値上げ。年頭にはよくあること。地方では公共交通が止まった一方、白タクが70%値上げのところも。

★15、1、5 Tagesspiegel
ドイツはアフガンに850名ほどの兵力を残すが、そのためにテルメスを使用する協定を昨年9月結んだ。内容は公表されていない。独裁国家との協力を伏しておきたいためか?
それとも、金を取られすぎていることを知られたくないためか?
・2010年にはドイツは、年間1595万ユーロの支払いに同意、2002年以来、合計1、2億ユーロ以上を払っている。これに加えて、空港整備のため2002年以来、2040万ユーロを払っている。

★15、1、5 中央選管
総選挙。22選挙区で決戦投票。
下院150議席のうち、52が企業家ビジネスマン運動ー自由民主党連合、36が民主党、27が人民民主党、20が社会民主党Adolat,15がエコ運動。女性は24名。
・うち40名は再選。
・ウズベク当局は選挙の公正さを強調。

★14、12、19
スルハンダリア知事、E.Zhuraev、大統領によって解任。
これまで検察畑中心。2013年12月以来知事。

★14、12、18 Ferghana
ミルジヨエフは「電話で」知事たちに、Farmerの面積を20%縮小せよ、但し地味の良い土地を与えよ。余った土地はロシア・カザフスタンから帰還する者のために果樹園、牧草地、野菜栽培などに」
2000年代を通じて、Farmerへの扱いは悪くなってきた。当初は、年頭借金は棒引きされていたもの。
現在は棒引きされないので、一人1ー2億スムの債務を持っている。

★14、12、10
プーチン来訪は、9月ドシャンベでのSCO会合で合意。
・ガスプロムはこの5年間で、探鉱に4億ドル投資、ルークオイルは10年間で30億ドル以上。
・ウズベクは関税同盟、ユーラシア同盟加盟急いでいない。
・ウズベクの対ロシア債務問題とは、貿易不均衡に発するもので、8、9億ドル。うち5億ドルが元本分。

★14、11、27
ロシアとの合同委員会でガニエフ、本年ロシアへの乗用車輸出が30%下落したことを嘆く。ルーブル下落も理由だが、なによりもロシア国産車優遇(たとえば下取り価格で)が理由とする。
ウズベクGMの輸出の90%はロシア向け。
1ー9月で33、472台。これは昨年同期より32%げらく。
10月は1819台で、昨年同期の5921台の3、3分の1。
他方、ウズベクGMは増産の構え。昨年より4、5%増で25万台になるだろう。

★14、11、19
2016年にはアングレンーフェルガナ鉄道稼働。4、55億ドルを中国が融資した。
ウズベク・日本
★15,1,5
ガス火力発電所建設、718億円の円借款を供与。ナマンガン州の需要への対応。今夏ごろに工事。

カザフスタン
★15、1、4 Odnako.org Ivan Lizan
中国がカザフに一連の「製造業」工場を作る(貨車製造、石油精製等)、貿易はそれぞれの通貨で、中国はドルをはけるためにそこらじゅうでばらまいている、等の記事。
しかし、誰がいつどこでのデータなし。
★14、12、14
李克強、来訪。140億ドル相当の協力に合意。
・カザフスタンにとって中国は、2010年ロシアを抜いて最大の貿易相手となった。

★14、11、19
元首相Serik アフメートフ、大規模横領で2ヶ月自宅逮捕の決定。健康状態を考慮して拘留は不要。不服申し立て可能。

★14、11、19
前中国・北朝鮮大使Ermekbaev Nurlan、国家安全保障会議書記に。


カザフスタン・日本
★15、1、2 朝日
東芝、原発建設交渉中。ウェスチングハウス、丸紅。

キルギス
★14、11、20 Regnum.ru
中国ーキルギスーウズベク鉄道建設については、単一の計画がない。
もともと北部はアルマアタの鉄道区、南部はタシケントの鉄道区だった。
そしてキルギスタンとタジキスタンは中国への鉄道を持っていなかった。

・ソ連崩壊後は、カザフ、ウズベクとも別共和国を経由しない鉄道路線建設に夢中になった。

・キルギス南北鉄道を作ると、ウズベクとの接続を南部が支配し得る。

・また国境の定まっていないウズベク、タジク方面に鉄道を建設するのはよくない。

・「中国との鉄道」構想は延々と転がって、そのたびにFSなどで関係者が稼げればいい面もある。

・だから大型構想よりも、キルギスの鉱山地帯と街を結ぶ短距離鉄道の建設の方が現実的。
キルギス鉱山の80%はタラス、ジャララバド、オシュ、バトケン州境にある。このあたりでの鉄道建設は不可欠。しかし高価で時間がかかる。


タジキスタン
★15、1、7
政府は、ピャンジ、バダフシャン地方のアフガン側に、タリバン、IDU等のテロ分子が集結しているとして警戒。

★15、1、7
タジクの金確定埋蔵量は500トンだが、その半分以上は中国のものに。

★14、12、19
TALKOはスイスのGlencoreと契約。Glencoreは2015年夏までにTALKO設備を近代化し、200基の炉を全て稼働させる。地元のボーキサイト使用も検討。
→Glencoreは北方のKoni Mansur非鉄鉱山開発に入札。
・TALKOの株70%は政府。

★14、12、15
ラフモン、タジク師範大学長Abdudzhabbor Rakhmonovを社会担当大統領顧問に任命。前任はSaidmurod Fattokhzod。12月13日に人民民主党副議長に選ばれていた。


トルクメニスタン
★15、2、2 Centrasia
トルクメニスタン官憲、警戒態勢強化。
アフガン北部、タリバンだけでなく、様々の武装勢力がISIS小型版をめざして進入の可能性。北部のFaryab, Badgis, Zhauzzhanに集中。
トルクメニスタンはアフガン北部のトルクメン系Erbekiに弾薬・医療支援等して緩衝を期待しているが、彼らは戦闘経験乏しく、後退。
・トルクメンは中立のため、外部からの支援は期待できない。しかし軍は志気低い。
徴兵年齢は27から30歳までに引き上げられ、軍は徴募人数を2倍に引き上げろと指令されている。予備兵は年間40日の演習。
・アフガンの反政府派は、トルクメニスタンは政府軍に燃料を供給しているとして、敵視する傾向。
・それでも、攻撃があったとしても、トルクメンの領土を大きく占領し続けることはあるまい。重要な工業施設、インフラへの攻撃でとどめるのでないか。
(中国のガス・パイプラインへの脅威が本当になってきた)
★15、1、9
1日から公務員賃金10%引き上げられたが、通貨マナトが23%切り下げられ、ガソリン価格が60%引き上げられたことでで、小麦粉は50マナトが100マナトに、ジャガイモは1、5マナトが2、5マナトに値上がり。

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