Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

世界はこう変わる

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2013年10月20日

中国の国内市場が蒸発する時

「この頃、中国では賃金水準が上昇している、だから以前の『中国でモノを安く組み立て、欧米日に輸出する』というビジネス・モデルはもう古くなった、これからは中国の国内市場でモノを売るために中国国内で生産する時代になる」というのが、この頃の論壇の定番だ。

前半分の方は賛成(と言うより、もう2年前からこのブログにそう書いている)だが、後半については少し留保をつけたい。今のところ欧米日企業の作った高級品は中国市場でよく売れているが、そのうち難しい局面が訪れるかもしれないからだ。

と言うのは、中国企業も次第に高級品市場に乗り出してくるだろう、中国企業同士の競争は熾烈で、しかも地元当局から全面的な支援を受ける、外国企業は薄利多売のこの競争に耐えられないかもしれない、というのが一つ。

そして欧米日の自動車企業が中国の企業と作った乗用車生産の合弁企業も(乗用車生産は、中国企業との合弁結成が条件とされている)、そのうち次第に合弁契約の期限が到来し、中国のパートナー企業は「もう自分達だけでできます。祖国にお戻りください」と言うだろう。そして彼らは自分達の市場を守るため、地元当局とつるんで輸入車を閉め出すのだ。これがもう一つ。

そして、中国の経済情勢がもし悪化して都市の失業者が増えるようなことになると、外国企業や外国製品は打ちこわし、排撃の対象になりやすい、というのがもう一つである。

「厖大な中国国内市場」という神話が崩れる日がやってくるだろう。

コメント

投稿者: 松宮 正浩 | 2013年11月13日 14:57

私も中国とお付き合いして15年程度が経過しましたが、その間賃金は5倍に高騰、素材や部品も値上がりして、安価(1万円以下)な製品は無理でも高額(10万円以上)な製品は日本国内で生産しても採算が摂れるのでは?と昨年試みましたが、残念ながら中国に勝てないのが現状です。
日本はあまりも安全思考が強く(石橋をたたいても渡らず)冒険心が消滅してしまったようですが中国は少々の危険を冒してでも積極的に取り組む姿勢があり、これでは日本は中国に勝てないように感じています。
技術面でも、当時は日本人技術者は先生扱いでしたが、昨今は「日本からは、もう何も学ぶものは無い」とばかりに、日本の指示を無視して勝手に物事を進める風潮にあります。
私が心配していることは、中国では電動バイクが開発生産され、すでに普及している現実があり、日本のお家芸とも言えるEVの市場が、中国企業に席巻される危惧を感じているのです。
ただし、品質については日本には遠く及ばず、改善されることは望めない現実は存在します。
彼等には「見えない部分は軽視して、不都合な部分は隠す」文化が根底にあり、従業員の定着率は驚くほど低く、熟練作業員がほとんど存在しないことが、いつまでたっても品質が向上しない原因となっているのです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/2648