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世界はこう変わる

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2007年8月 2日

西欧型「近代国民国家」はアジアに必要か?

日本は非白人国としては一人頑張って工業化を達成し、そのコインの裏として自ら植民地主義勢力となりましたが――イギリスの産業革命は米国、インドという二つの大植民地との経済関係故に成立し得たものです――、それが起こした太平洋戦争ゆえに植民地主義時代全体の幕を引くという役割を担いました。

戦後独立したアジア諸国は、19世紀から20世紀に全盛期を迎えた西欧型国民国家に倣おうと、現在Nation buildingを続けていますが、西欧の国民国家というものは欧州の中での領土争い、そして世界での植民地獲得競争のために国力を動員する装置として生起したものだと思います。ですから国民国家の本家のEUでは、既に時代遅れとなり、EUという形にリストラされつつありますし、軍隊も大規模正規戦よりゲリラ戦、対テロ行動に向けた小規模編成のものに改組されてきました。

日本を含めたアジア諸国も、国家のあり方、あるいは目標とする国家体制を虚心坦懐に見直すべきだと思います。単一民族という神話に依拠する国民国家というものは、ともすればナショナリズムを激化させ、国際紛争を生じさせやすくするものでもあるからです。

そんな問題意識に立ち、東京財団に一つの研究会を立ち上げました。中国、アメリカ、欧州、オリエント等諸地域における古今の国家を研究し、近代国民国家克服のヒントを探ろうとするものです。

6月に第2回研究会を行いましたが、そこでは、茂木・東京女子大学現代文化学部教授が中国国家の特質を歴史にさかのぼって分析されました。記録はhttp://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=30をご覧下さい。

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