Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2016年1月28日

メルマガ 文明の万華鏡第45号発売

本日、まぐまぐ社から有料メルマガ「文明の万華鏡」第45号を発売しました。冒頭の「今月の概観」は次の通りです。

 サル年は荒れるのだそうで、年頭から世界の株式・為替市場は大荒れです。基本は、リーマン・ショックからかなり回復した米国、EU、日本がまだ世界経済をリードできるだけの力を持っていないこと、それどころか、米国ではジャンク社債が溜まっていて、このバブルが崩壊すると、また金融不況をもたらしかねないこと、そして更に先を言えば、利益追求を動力にして成長をはかってきた、これまでの資本主義モデルは休眠状態に入ってしまうのではないか、そして世界経済のエンジンとして期待されてきたBRICSでは社会、制度がこれ以上の経済成長には向いていないことが明らかになってきたこと、にあります。

面白いことに、米国が世界一の産油国になったことで、油価が米国の経済先行きにとって、今最大の要因になっています。つまり油価が下がり過ぎると、シェール・オイルの生産が原価割れし、倒産する企業が続出、それら企業の発行してきた社債の崩壊が起き、それが米国の債券市場を崩壊させて金融不況を招き得る──こういう構図になっているからで、今米国株価は原油価格の上下に応じて大げさな上下を繰り返し、それはまた世界の株価に波及しています。

 他方、中国経済、ロシア経済、双方とも変調を来たしていることが、米国との妥協を助長して、ウクライナ、シリア、南シナ海の情勢は凪になりつつあります。米国大統領選の年には、中ロは静かにしていることが多いので──余計な関心を引くと、選挙で「敵」に仕立てられてしまうので──政治面では静かになるでしょう。

それでも、米軍はロシアや中国の近年の振る舞いを見て、抑止力を強化しようとしています。冷戦終了後、ほぼ放置してきた核兵器の近代化にも踏み切る他、「human-machine collaboration」の名の下にロボットやAIを軍に大々的に取り入れようと言うわけです。米軍がこうなってきますと、日本は人員を出すことなしに「多国籍軍」に加わりやすくなってくるでしょう。

中国では習近平氏が権力掌握を進め、その一環として軍の改革を進めようとしています。例えば7つある軍区を5にまとめようとしていますが、軍の抵抗は強いようで、未だに実現していません。これからは、軍事予算の拡大もままならないようになる中で、中国人民解放軍が戦前の日本軍のように政治家に逆らうようになると、世界、そして他ならぬ中国にとって危険なことになるでしょう。

というわけでこのまま延々と続けると前置きだけで終わってしまいますので、本体の方に移ります。今月の目次は次のとおりです。

新冷戦? 核兵器近代化?
中国経済は日本経済をどこまで奈落に引き込むか
世界的デフレは新たな文明の到来を意味するのか
米国外交の分裂と世界不在の米国大統領選
ロシア経済の縮小
世界史の意味 ユダヤ人という人たち6 
1900年頃までの米国経済発展におけるユダヤ資本の役割

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