Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2024年2月28日

メルマガ 文明の万華鏡第142号発売 時代の変わり目

メルマガ「文明の万華鏡」第142号をまぐまぐ社から発行しました。こちらからご覧いただけます。https://search.mag2.com/MagSearch.do?keyword=%E6%96%87%E6%98%8E%E3%81%AE%E4%B8%87%E8%8F%AF%E9%8F%A1

 販促で、メルマガ冒頭部分をコピペしておきます。時代の変わり目についての感想。

NHKのブラタモリが3月で終了するそうです。タモリ、テーマ音楽の井上陽水・・・、これぞ団塊のシティポップ世代の粋を煮詰めたような。戦後の一つの時代が終わろうとしています。大貫妙子、吉田美奈子などのシティ・ポップ、村上春樹、隈研吾、村上隆、草間彌生等々、幸福感、安心感に満ち、そして何よりハイセンスでした。日本が豊かになるのに合わせて、うらみ、つらみ、男にしがみつく演歌の世界を吹き飛ばし、今世界中で楽しまれるようになってきた日本のポップ・カルチャー。ポエジー、ロマンがあった。戦後の伸びる時代で、何か知らない未知の、達成されていない理想を求めているような。
この世代、内容のないドタバタのバラエティー文化の陰に隠れて久しいものがありますが、これがもう物理的にも去ろうとしている。寂しいものがあります。筆者はもろにこの世代と同年代ではあるし。
 2004年、筆者が8年に及ぶ外国勤務を終えて帰ってきた時、日本は何かが変わっていて、違和感が以後抜けません。日本語が変わってきています。極力、「自分」を隠す言い方。「・・・とは感じますよね」、「今日は・・・させていただきます」、「今日は・・・という学びをいただきました。・・・という気づきを得ました」、「元気をいただきました」。筆者は、「うう。気持ち悪い。もうちょっと自分で責任を取る言い方をしたら」と思います。
 しかし、全般的には好い方に行くのでしょう。スポーツ、文化、スタートアップ・ビジネス面における最近の日本の若手はすごいものがあります。メンタルの強さ、白人に「憧れを捨てた」こと等々、等々。
皆、もう忘れていますが、もしかするとこれは、誤った政策として批判され、捨て去られた「ゆとり教育」の良い遺産なのかもしれないと思います。「ゆとり教育」の定義はいくつかありますが、2002年の学習指導要領の改定がそれだとすると(小学校から高等学校まで)、その時小学6年だった者は今32歳。当時高校1年で「ゆとり教育」を少しくらい浴びた者は35歳。丁度、今活躍している青年達と年代が一致するように見えます。そこはよく検証し、もし成果が見られるのであれば、当時批判され、石もて追われた政策担当者達を顕彰するべきでしょう。
有名大学、大企業への就職という、戦後のモデル・コースなど眼中になく、デザインや伝統芸術の継承とアレンジ、野球の大リーグへの挑戦等々。クラシック音楽でも、以前の東京芸大の優等生スタイルは影を潜め、各作曲家の息吹きに自分の感性を加えて世界で優勝する演奏家、指揮者が輩出しています。
こうした中、筆者の自分ができることは、古手世代として、自分の経験した戦後世界のことを書き残していくことでしょう。
 忘れていましたが、世替わりは何よりも政治・経済で起きようとしています。池田大作氏の死去は一つの時代が終わったことを明確に告げていますし、自民党の裏金問題は、地縁・血縁・業界縁に囚われていない無党派勢力、或いは中央での政治などどうでもいい人たちが増える中で、政党を維持するにはどうしたらいいか、政党は本当に必要なのかという問題を提起しています。それは、労働組合に大きく支えられている立憲民主党、国民民主党も抱えている問題です。
「政策で勝負しろ」というのは、ナイーブです。長ったらしいマニフェストなど読んで選挙に行く人はいないでしょう。肝心の自分にどう関係するかだけが関心の的なのですが、どの候補者が当選しようが自分の生活がさして変わるわけでもない。
だから自民党では、農協、医師団、その他組織を動員するとともに県議・市議など地元の有力者に資金をばらまいて取りまとめを依頼、旧民主党は労組組織を使って選挙活動をしているわけです。筆者のような都市の浮動票は、政治の近代化を叫び、政策で投票相手を決めるとか言いますが、肝心の投票日には休暇を優先して旅行に出かけてしまうような頼りない存在。自営業の人たちを中心に、特定の政党を支持して運動を続ける人たちが、重要なのです。世替わりと言っても、それは都市の根無し草の独りよがりの感慨かもしれません。

 というわけで、今月の目次は次の通りです。

 ウクライナ戦線膠着後の世界
   (兵員・兵器増産の限界)
   (経済の軍事化・ソ連化の中で進む、技術の対中依存)
   (「ウクライナを片付けたプーチンは・・・」式議論の空想性)
   (続く新冷戦)
   (ゲーム・チェンジャー:ウクライナでレジーム・チェンジの可能性)
   (バルト海のNATO内海化とカリーニングラードの運命)

 中国経済の大後退とその後
 (深圳世代が政権を握る時)

米大統領選――大統領代行の務まる副大統領を
 日本外交の旗印は、「自由と民主主義」から「人間の尊厳」へ

 今月の随筆:米国はロシアの濃縮ウランの上客
 今月の随筆:米国は南北戦争一歩手前?
 


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