Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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世界はこう変わる

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2024年2月 3日

メルマガ 文明の万華鏡 第141号発行

1月24日にメルマガ「文明の万華鏡」第141号を「まぐまぐ」社より発行しました。年頭のご挨拶を兼ねていますので、ここに冒頭部分をアップしておきます。

はじめに

 遅まきながら新年のご挨拶を申し上げます。大変なスタートの元日でしたが、今年もよろしくお願いします。元日の日経一面が「(日本経済のポテンシャルを)解き放て!」という大きな文字でうまっていたのは、うれしい驚きでした。この数年、いや数十年、マスコミが日本経済は駄目だ、駄目だ、沈む、沈むと言い立ててきたことが、どんなに我々の気を沈ませ、自信をなくさせてきたことか。

 マスコミはいいことばかり書いていると、読んでもらえなくなることは承知していますが、日経が日本経済のポテンシャルにこれから照明を与えてくれるというなら、大歓迎です。

 と思っていたら、自民党が空中分解のようなことで、派閥解消とやら。小選挙区制になった時も、同じような言葉が流行ったことがありますが、結局、大臣ポストの配分やら、政治資金を集めるパーティー開催やら、あった方が便利だということで残存していたもの。

 今回派閥解消と言っても無理で、何らかのgroupingは存続するでしょう。企業もそうですが、大きな組織では派閥的なものができやすいようです。将来総理の座を狙う何人かの有力議員は、今回の「派閥解消」で得をする者、損をする者、様々でしょう。その詳しい様を、これから知りたいと思います。

 台湾総統選は終わり――台湾危機が今起きる感じではありません―ー、これから3月17日のロシア大統領選、4月~5月のインド議会選挙、そして何より米国大統領選挙に世界の関心が向くわけですが、その中で日本もなにやらごたごたしていて、時々ニュース種になるというのは、悪いことではないと思います。
 
 因みに、今月は一冊の新刊をご紹介します。政治学の泰斗、渡邉昭夫・東大青山学院大・名誉教授著の「国際社会との関わり方を考える」です。同教授は歴代の政権でご意見番も務められ、国際政治、国内政治の双方に目を配ってこられました。この本は、現在世界の枠組みが変わる中での外交哲学の修正、アジア太平洋地域の変化、終戦後のパラダイムでは今の変化に対応できないこと、歴史認識の問題を論じた後、「21世紀とは」という考察で終わっています。
固いアカデミックなものではなく一般向け、かつ100頁と短い書物ですが、中身はぎっしりつまっています。応有尽有という感じ。最近流行っているprint on demandの書籍で、書店には出ていません。アマゾンなどで検索して注文すると、プリントされたものが送られてくるという仕組みです。

 というわけで、今月の目次は次のとおりです。

  ウクライナ暫時停戦へ?
    ロシアのごね得で終わるのか?

  近代の価値観=「自由・民主主義・市場経済・国民国家」の相対化と今後
                      ――河東の近刊に寄せて
    エピローグ――そしてこれから
    「人間らしい生活」がユニバーサルな価値観
    新たな大航海時代を迎えて

  「海路防衛機構」を作ろう

  トランプ再登場で日米同盟をどうする?

  ドローンが変える現代の戦争

  今月の随筆1:日本人青年と中国人青年の同一化

  今月の随筆2:AIとロシアの「伝統的価値観」

  今月の随筆3:日本株を買う中国人、中国株を売る外国人

  今月の随筆4:日本の現代を表象する新聞小説

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