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経営学

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2011年3月13日

金型不要の新製造技術

業界の方はもう知ってるだろうけれど、2月のEconomist誌に面白い記事があったので書いておく。つまりプリント技術で立体的なモノを作るという話

どんなモノであれ、これを輪切りがつながったものと見なせば、その「輪切り」を作ってどんどんくっつけていけば、完成品ができるということ。

プリンターのインクに当たるものはここでは、薄い金属板、あるいは金属粉で、「プリンター」はこれを設計図にある通り切り出したり、金属粉をこねて部品にしたりする。そしてこうして作った輪切りを、次の輪切りとレーザーで溶接していくのだそうな。

MITの学生が記者の目の前で、柱時計を「プリント」し、重りをちょっと引っ張ると、ちっくたっくと動き始めた由。

このプリント法のメリットは、金属塊を削ったりうがったりするこれまでの方法に比べて金属をはるかに有効に使えるし、消費するエネルギーもはるかに少ないことだそうだ。

この技術は、日本が優れている金型を必要としない。では日本の金型ビジネスは上がったりになるかというと、そうでもないだろう。高速で大量生産する場合には、金型の方が向いている。それからいくら「プリント技術」でも表面の仕上げ(磨いたり、誤差を直したり)には手作業が必要だろう。それは金型を作る時とは裏面の技術になる。これまでネガの表面を磨いていたのを、今度はポジの表面を磨く、ということになる。

いずれにしても、金型業界は対応を考えておくべきだろうと思う。

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