Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

経営学

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2014年12月30日

「高齢者増だから医療費増」にずるずる流されないために 

年末風邪でダウン、遂に駅前の医者に行ってみて驚いた。

血圧検査、問診、触診、「口をあーんと開いて」だけ。血液検査などなし。

「毎晩、夜だけ熱が」と言っただけで、先生の口は皮肉な笑いで曲がりそうになった。「熱がこもったんですな」、「?」、「漢方薬をお出ししておきましょう」。

かくして診察が1000円ちょっと。僕が欲しかった抗生物質のことなど少しも話に出ず、わずか400円の漢方薬でお終い。そしてその漢方薬が終わった4日後、僕の「風邪」症状も収束したのである。いや、直さないともう一度医者に行かないといけないから大変だ、という強迫観念に突き動かされての末であったが。

これを顧みるに、検査漬け、抗生物質、痛み止めその他その他の薬――といった近年の診察・施薬メニューであれば4000円は取られたであろうものが、その3分の1弱ですんでしまったのだ。

日本の医療費は毎年40兆円弱。うち外来が35%、調剤が16%程度を使っているので、ここだけでも3分の1の費用にできたとすると、13兆円は浮くということになる。ただそれによって薬品会社ではリストラが相次ぎ、病院や医院の中には経営が成り立たなくなるところが続出することだろう。改革は必要だが、よく考えてやらないと、日本の医療システムを大きく壊してしまう。

薬品会社が薬を売り、売れるたびに病院や医師に見返りを行う。その薬を買う金は、患者と健康保険が折半しているのだが、その健康保険の原資は国民や企業が毎月払う保険費である。言ってみれば、我々は結局のところ、自分たちのカネで病院や製薬会社を支えているのだ。製薬会社は長年、こうした相互依存システムの中に生きてきたものだから、外国に出してみると競争力がない。重電、通信の分野と同じく、結局のところ国公需に依存して大きくなってきたからだろう。

こういう構造を改革するには、よく制度の設計をしてからとりかからないと。

">


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/2939