2017年8月17日
新しき文明の数々2 ロボットが何でも作ってくれる経済
今、ロボットとかAIとかがもてはやされている。「ロボットが何でも作ってくれる社会は、共産主義の理想――人々は望むだけのものを手に入れることができる――の達成される社会。多くの人々は、働かなくてもよくなる、と言うか、ロボットに仕事を奪われてしまう。政府はそうした人たちにカネを配り、その生活を保証し、そうやって経済と社会を回していく」というあたりで、議論はまだ止まっているようだ。
しかし経済は生産だけでできているのではない。他に議論を要するものはいっぱいある。一言で言えば、生産性が飛躍的に上昇する時、カネとか土地とかいろいろのものは、どのように意味を変え、どのような法則の下に動くようになるのか。つまり経済学を組み直さないといけないのじゃないの? ということ。
モノはロボットが沢山作るから、価格はつかなくなってくる? それを前提に経済学を組み替える? しかしそれでも、モノの他に、供給量に限りのあるものがいくつかあるだろう。例えば土地。
しかし、モノの値段に意味がなくなると、利潤はもう生まれないのだろう。とすると、土地を買って経済活動をしても利潤は生まれないので、その分地価は上がらない。宅地ぐらいでは地価はつくだろうが。
そして利潤が生まれない社会では、人々はもう投資をしなくなる。
つまり、ロボットがモノを作り始めることで、世界史の進歩が止まる? そんなばかな。
それとも利潤はいらないから、何か面白いことをやりたいという奇特な人間に期待する?
これこそホントの「歴史の終わり」じゃないの? フランシス福山さん。
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