2017年8月16日
新しき文明の数々 マスコミ
この頃は、Youtube、Facebook、Twitterの類が自前のテレビ局、ラジオ局、そして新聞として登場している。トランプ大統領が毎晩発するツィッターの一言は、既存マスコミの仕事を奪った。トランプは、世論誘導の主導権を握っている。
これは政治のあり方を変えるだろうか?
そうでもなかろう。情報を発信したい者にとって、PRの手段が一つ加わった程度だ。
それに、個人でSNSにニュースを流す場合、コンテンツの作り方がまだ稚拙。そしてニュースを集め、伝えるだけのスタッフはいないから、どうしても個人のオピニオンを伝えるだけのものになる。アイドルでもない限り、いつまでも特定の個人の「オピニオン」が高い視聴率をキープすることは難しい。
結局、忙しい現代人は、お気に入りの人々がSNSで流すビデオやクリップを毎日いくつも検索していく時間はないので、既存のテレビ局が毎日集約、編集してくれるものを見ているのがいちばんだ――ということになってしまう。
SNSやインターネットのおかげで、人々は情報を主体的に集め、自分の意見を発信できるようになったが、そうする人が増えれば増えるだけ、それを見つけて読んだり見たりする者は益々少なくなっていく――そういう逆説的な法則が今のネット界を支配する。
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