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経済学

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2010年8月15日

「国債はわれわれの借金」なのか?

11日の日経で誰かが書いていた言葉だが、「IMF基準で計算すると国の借金は現在904兆円。一人当たり710万円の借金を将来の世代からしていることになる」との趣旨があった。

この手の発想、よく見かけるのだが、どうも戦争に負けたあとの「1億総ざんげ」に似た、当局の都合に合わせたプロパガンダの臭いを感じてしまう。なにか国民に負い目を感じさせて、「増税やむなし」と思わせるための刷り込みだ。

国民は別に誰にも借金などしていない。我々の貯金は、郵便局、銀行、生命保険などを通じて国債に投資されているのだが、これは我々が国に借金をしているのではない。逆だ。貸しているのである。

「お前は710万円も借金があるのだ」と言われたら、日本人はびびって消費をますます控えてしまう。「国の借金が大変なんだぞ」ということで我々を脅かし、税金を上げるのが政府の狙いなのだが、そんなことをやっていたら日本経済はすべて国債と税金になってしまうだろう。

国が足りない資金は、これまで通り資本市場から国債で借り上げてほしい。税金を上げても、政治家達はそれをあっと言う間に人気取りに使い果たしてしまい、また国債の増発に頼るに違いないからだ。

コメント

投稿者: noutori | 2010年8月20日 11:55

一概に「君たちの借金」というのはおかしいと思います。おっしゃるように国債を持っている人もいるのですから。所詮国の税金は誰かからとって誰かに渡しているにすぎません。要するに国は壮大な所得の再配分を行っているだけなのです。
では問題はないのかというと経済学者はよくこの再配分の行方を問題にします。消費税という全員からとる税金で、一部の国債保有層に返済するのはいかがかというものですがこれは眉唾。国債保有層は自分の預金の運用手段として持っているだけなのですから。
問題なのは「過去」に既に配分してしまったものを今と将来の世代が返すことだと思います。政府の収入の行き先で大きなものは年金や医療への補助金。実は死亡していた高齢者の年金を息子がもらっていて問題になりましたが、この高齢者の年金は掛け金なしの年金です。制度が始まったときに既にある年齢に達していると掛け金を納めるのは無理なのでこの分は税金で肩代わりというわけです。
この結果、生まれた世代で年金の利回り(掛け金ともらう年金の比率)がかなり異なります。既に年金をもらっている「高」高齢者の場合、この利回りはかなり高いとおもわれます。
この部分今更どうしようもないわけで、かつ「高」高齢者は戦争をはさむ時代を生きたことを考えれば一概に高利回りを非難できないでしょう。
政府はこのような今更どうしようもない部分に伴う負担を明確にすべきです。国民はその負担を納得するでしょう。
かたや医療は今起こっていることなので改善の余地があります。薄毛になると医者に行こう(保険の負担が発生していなければよいのですが)はいかに何でもやりすぎです。また病院の効率をモニターしていないのも問題。韓国のようにレセプトを電子化し相互チャックをかけるべきです。

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