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経済学

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2018年3月 3日

再び平成の大介入か それが日本と米国の経済を救う道か

(これは、2月28日に「まぐまぐ」社から発売したメール・マガジン「文明の万華鏡」第70号の一部です。この2,3日の変化に合わせて少し書き変えてあります。
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「平成の大介入」ふたたび?

トランプ政権は国債の大増発をやろうとしている。それは米国債価格の急落、それによる世界の金融機関の資産減少とカネ詰まり、つまり「リーマン危機ふたたび」の状況をもたらすかもしれない。株価とドル値はまた下降を始めている。ドルとドル債券の投げ売り、つまり「リーマン危機ふたたび」を避けるには、どうするか? 

ここで面白いのは、過去に日本が白鳥の騎士よろしく、世界金融不況を防いだことがあるということ。それは、2003年の「平成の大介入」。2003年1月から04年3月の円売り介入累積額は35兆円。これで円高は防止され、小泉政権は輸出主導の好景気を謳歌することができた。日本は円を売ってドルを買い、そのドルで米国債を大量に買い付けたから、イラク戦費で財政赤字、インフレの危険に直面していた米経済をも救うこととなった

 しかも「平成の大介入」は、金融緩和策としても利用されたのだ。ふつう日本は、円売り介入をすると、その円が市中の通貨流通量を膨らませてインフレを招かないよう、「不胎化」する。具体的には円売り介入のための資金は、財務省が特別の国債を発行して市場から吸い上げるので、それがまた市場に放出されても市場の通貨流通量は変わらない。ところが「平成の大介入」の時は、日銀がこの特別国債を一時引き受けて、すぐには売却しなかったと言われる。だから、この期間マネタリーベースは18兆円増加した。つまり、介入額の半分は不胎化されず、景気刺激に回ったのだ。

今回も、同じような介入を財務省・日銀は始めるだろうか? それは円安・ドル高の維持を意味する。輸出振興のためにドル安を望むトランプ大統領にとっては痛しかゆし。それでも中間選挙の前にリーマン危機の再来があるよりはまし、と思うかどうかが分かれ目だ。

実際に何が起きているのか? 米国の長期金利が上昇を止めていること、円高傾向に一時歯止めがかかったことなど、平成の大介入が再び始まっているのではないかと憶測させる事象が現れている。日銀の米国債保有額統計を注意して見ていく必要がある。

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