Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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ジョーク

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2010年4月 3日

「儒教的価値観」の浸透度

日本人のマインドには儒教的価値観が染みこんでいる――と授業で僕が言うと、学生は?という顔をする。まさかあのつまらない論語が? 中国の論語が? というわけだ。
でも、少し偉くなると私腹を肥やすことばかり考える某国々の役人、実業家などと比べて、日本人はやはりまともなのだ。社長になると、社員の暮らし、その家族の暮らしを考える。それは、個人をいつも社会全体の中に置いてみる儒教の伝統があるからだろう(中国は面白いことに、もっとドライで個人主義的なのですが)。

である日、日経の夕刊コラムを見ていたら、ある偉いビジネスマン曰く、「子供の頃、祖父から論語を大いに習ったものだが、『師のたまわく』と言われると『師の球、湧く』(本当は『師曰く』なのだ)のことかと思い、いったいどんな球が湧くのかと思っていたものだ」。
球か玉か知らないが、これではどんなに小さいころから論語を勉強しても、決して儒教的価値観が身につくは言えない証拠。
すみません。くだらない話で。

コメント

投稿者: CrazyDog | 2010年4月 7日 22:41

河東さん

同じ団塊第一世代の一人として初めてコメントさせて戴きます。その立場では、非常に僭越なことながら・・・。

アメリカ一極の時代から一極多極の時代を経て多極の世界に移行する(かもしれない)シナリオが描かれている現在、
同時に、数世紀続いた欧米主流の時代からアジア主流の時代に移行するするというシナリオが描かれている現在
また、アングロサクソン流金融資本主義が金融危機に止まらないで世界に未曾有の経済危機を齎した現在において、
その移行を促す「力の一つ」として「儒教的価値観」があるという仮説を、期待を含めて持っています。

その来るべきアジアの時代に、日本は、欧米流も其れなりに知っている、勿論「儒教的価値観」に基づく流儀も知っているという両面性を持っている稀有な国家になる。
この優位性を最大限に生かし活用する知恵が、引用【?という顔をする】日本の若者たちに有るのでしょうか?
大人の誰かが教育し教養を付けさせることが、重要だと思います、日本国と其処に住まい日本に執着を持つ人々の為に・・・。

投稿者: 河東哲夫 | 2010年4月 7日 23:12

私は儒教的価値観を教えることに反対したわけではありません。学校でいくら教えても「師の球が湧く」になってしまうし、下手をすればがちがちの国家論を教える方向に政策が振られる可能性もあるので、それよりは周りの先輩の生き方、しゃべることを見ていると自然に儒教的価値観のいいところが身につく、というようなのがいいと思います。
例えば品川区では、企業の人達がしょっちゅう小学校にやってきて、模擬ビジネスなどをやらせながら、ごく自然に商売道徳を身につけさせています。小中学校で社会科を教えるのは、実際に社会で働いている人々であるべきです。
そして同時に、産業革命前後の西欧で成立した自由、人権の価値観も教育しないと、日本が権威主義社会になってしまいます。

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