Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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政治学

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2012年1月22日

世界の中で日本は生き残れるのか?

今日、「東京雑学大学」というNPOで講演してきたので、本当のさわりだけをアップしておく。本当はもっとはるかに長いのだけれど。
                         
日本は米、中、露という「メガ国家」(人口・領土巨大で多民族なるも、一つの政府・軍を有する)に囲まれている。このうち中国はあと数年で米国のGDPを追い越す可能性がある。

この中での「中立」政策は、三国に蹂躙されてしまう危険性をもたらす。同盟国が必要である(一度決めたら長期にわたって替えない)。同盟国としては、米国が依然として最適だろう。中国人とは人種的な親近感があるも、中国に依存すれば日本国内では中国共産党支部を作る者が出て権力を独占しようとするだろう。日米同盟を軸とし、中国に対しては備えを維持しながら友好・協力関係を発展させていく、というアプローチがいいと思う。
なお、「国を守る」とよく言うが、「国」という崇高な存在が雲の上にあって、そのためには命も財産も投げ出すというような考えは、自分は取らない。他ならぬ、自分たち自身を、自分たちの仕事、自分たちの家族を守るということならわかるが。

円高で製造業が空洞化していると言われる。しかし日本は中国、韓国に対して貿易黒字を維持している数少ない国である。日本は中国、韓国に対して機械、先端技術を使った部品等の「生産財」を輸出する国になっているのである。米国も製造業が空洞化したと言われているが、アイデアだけでなく加工技術も含めて、今でも何でも作れる国である。日本の場合、資源、原材料を輸入できるだけの外貨は稼いでいかなければならず、そのためには日本からの輸出は一定レベルで維持していかなければならない。英語のできない日本人は、金融業などで世界で稼ぐわけにはいかないので、製造業はこれからも重要である。他方、製造業の多くが海外に流出するのは事実なので、国内の雇用を維持するためにはサービス、そしていわゆる「職人」の数を増やしていかねばならない。

日本企業はますます世界のなかで操業していかなければならないので、英語、中国語等、語学能力だけでなく、世界は日本と違う、どこが違う、何をどうすればいいかを心得た人材を増やしていかなければならない。

最後に、日本国内で最近、総理が毎年代わり、ものごとが決まらないことを変えなければいけない。「優秀な政治家が一人いればすべてはうまくいく」という単純な考えが広まっていることが、総理に期待しては失望する繰り返しを生んでいるのである。そして日本の民主主義は欧米の民主主義と異なり、多数決より全会一致を目指しがちだが、それでは世界の変化に素早く対応していくことはできない。

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