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政治学

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2021年6月 5日

菅政権、無力のよって生ずるところ 動かない官僚と、動かせない政治家

 菅総理は顔でずいぶん損をしていると思う。だから実績で判断しようと努めてきたのだが、この半年以上のやり方を見ると、「なんだ、この程度かよ。これでよく官房長官務まっていたもんだ」と思わざるを得ない。コロナで厚生労働省を動かすことができていない。命令すれば役人は動くものだと、思い込んでいるようだ。

厚生労働省の役人は、ワクチンの認可を急いだあげく、副反応での死者が出たりすれば、行政責任を問われることは必至、そういう時総理や大臣は助けてくれない(どころか1996年、薬害エイズ事件で当時の菅厚生大臣は、下僚を生け贄のように裁判に突き出している)と思っているから、反応が鈍い。すると総理は、本来は行政改革担当の河野大臣を、子供の遊びじみた「ワクチン担当大臣」なるものに任命して、行政をかえって混乱させる。ワクチンの大量接種にしても、防衛大臣に話をせずに自衛隊の利用を考えたそうなので、防衛大臣とは自衛隊の何なのかと思ってしまう。

これでは早く世代交代してもらいたいと思っても、若手のホープとやらの小泉進次郎・環境大臣も鳴かず飛ばずで、20~21日のG7気候・環境大臣会合(テレビ会議)では、梶山経済産業大臣のことばかり報道される始末。

 かくして日本は、適当な政治家がいない、政党もない、官僚もだめ、という総崩れ状況にある。日本はこうして死に体なのに、みんなこれに気が付いてない。危機感がない。
 コロナ・ワクチンにしても、誰か政治家か官僚が、「このワクチンはリスクがある。しかし得られるメリットはそのリスクを上回る」と国民を説得し、いざ事故が起きたら賠償して潔く責任を取るということがないと、政府というシステムは回らない。誰かが生贄にならないと、民主主義社会は回らないのだ。独裁国なら、誰か部下を死刑、文字通り生け贄にすればいいのだが。

 「リスクはある」ということは、欧米の政治家ならはっきり言って、それで無責任だと叩かれることはない(問題が起きたら責任を取るわけでもないが)。「リスクのあることは警告した。あとは自分で判断して、自分の責任でワクチンを受けてくれ」ということなのだ。日本は、政治家・官僚に完璧を求めることで彼らを守勢に回らせ――厚生労働省が新薬を1年以上も認めないのはその好例――、元々回りにくい民主主義下の官僚システムを、ますます回りにくいものにしているのだ。

 百%の保証がない時は、政治家・官僚が生け贄になるか、国民がリスクを承知で前に進むか、どちらかしかない。どちらもせず、うやむやで解決しようとしているのが、現在の構図だ。

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