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政治学

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2019年8月31日

絶好調の安倍総理 好事魔多し

G7先進国首脳会議は何を話していたのかよくわからない有耶無耶な結果に終わったが、会議後の記者会見での安倍総理は顔の色つやもよく、意欲と自信にみなぎっている感じだった。まるで折り返し点に立ったアスリートのよう。これからアフリカ諸国との首脳会議TICAD、そして9月4日ウラジオストックで始まる東方フォーラムでのプーチンとの首脳会談が控えるが、それよりも総理の想いは9月初めの内閣改造・党人事とそれ以降、つまり憲法改正への匍匐前進、そして小泉新次郎等、後継候補の育成だろうか。

しかし、好事魔多し。まず経済がある。アベノミクスがシナリオ通りではないにしても、何とか日本経済を回してこられたのは、米国が2010年代を通じてドル高、円安容認の政策を取って来たからだ。しかし、トランプは連銀に利下げへの圧力を強めているし、議会でもドル安を求める勢力が台頭しているようだ。そして米中貿易戦争は世界の景気、株式市況を冷やし、グローバルな景気後退が起きるかもしれない状況にある。そうなると、円高(これまでの円安と同様、これから数年続くだろう)、株安、成長率の一層の低下という状況の中で、10月の消費税増税を断行することになるわけで、安倍新内閣の受ける試練は並大抵のものでなくなるだろう。

かと言って、国会解散、総選挙になっても、政権交代は起きるまい。小選挙区制では2大政党が政権交代を繰り返すのが常道で、英米ではまさにそうなっている。完全小選挙区制は英米、そして旧英連邦諸国にほぼ共通する制度で、白党でなければ黒党、いずれか多数を取った政党が多数決の威力ですべてを仕切るのだが、日本は小選挙区制に比例制を混ぜている。これで第3党の存在が可能となり、連立が必要となることも多く、そうなると政策は黒か白かの選択ではなく、黒に灰色をどのくらい混ぜるかということで、極端な政策は採択しにくくなるという特徴を持っている。

それはいいのだが、日本では野党が分裂している上に、反安倍の機運を掬い取るのに長けたポピュリズムの新党が次から次に泡のように出てきて、野党の票を分散させ、結果として安倍政権の長期支配を可能としている。反安倍が却って安倍政権を助け、小選挙区制の下での一党支配の恒常化という、世界にも珍しい現象を可能にしている。

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