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政治学

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2018年4月15日

トランプの酒場外交

トランプ大統領はシリアには巡航ミサイルを百発も撃ち込むし、中国に対しては対米輸出全体に高関税をかけるような(ドル下げを容認すれば関税を上げたのと同じことになるが、そうなるとドル・ベースでの中国経済のサイズもはねあがって、米国にすぐ追いついてしまうだろう)脅しをかけている。

彼の外交は、米国のマッチョ層、酒場で気炎をあげながら、「こうすれば、こんなことはいちころだ。やっちめえ」と叫んでいるような連中の、「こうすれば」をそのまま政策にしている。酒場外交と名づけよう。戦略とか、「政策を事務レベルから積み上げて」などという発想は全然ない。

大衆の、ものごとについての思い込みをそのまま。「大統領、そうはおっしゃっても、実態はこうです」などという部下の言うことには聴く耳を持たない。次の日クビ。

しかし酒場の仲間に文句を言われると、これまで言っていたことさえ、いとも簡単に翻す。農業業界から文句をくらって、TPPに加盟することをまた検討してもいい、と表明したことが典型だ。

トランプは、国連とかWTOとか、戦後の世界を支えてきた枠組み(それも米国の肝いりで作られたもの)をいとも簡単に踏みにじる。そして同盟関係でさえも、中国やロシアと渡り合うためには強弱自在、単なる交渉の具として扱い、ある時は持ち上げるかと思えば、次の瞬間にはもうその存在を忘れてしまう。世界の基軸通貨ドルを握り、圧倒的に強力な米軍をバックにしているので、どの国も逆らえない。オバマになら文句を言うか逆らったであろう同盟国も、トランプは何をするかわからないのでだんまり。中国もロシアも、トランプと正面から対峙する愚は避けている。

このままですむのかね? シリアに巡航ミサイルを撃ち込まれて対抗手段を取らないでいるプーチンは、国内で早や、弱虫だとして批判され始めている。
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