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政治学

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2017年8月 5日

御側用人政治 で融解するところだった安倍政権

安倍政権は、内閣改造で安定感、と言うか安心感が増した。玄人内閣、とでも言おうか。
しかしこれまでは、安倍総理の突出した権威が、総理官邸主導の政治、議会運営をもたらし、それが国民の鼻についたために、安倍政権の融解をすんでのところでもたらすところだったのだ。ここでは、まだ内閣改造の前7月26日のメルマガ「文明の万華鏡」に掲載した一文をアップしておく。自民党が、政治家主導の威を借りた官僚主導にまた堕することがないように。梁山泊のような活気が内閣に蘇るように。

明治維新、いや江戸時代からの官僚政治には、根強いものがある。だが、1990年代バブルが崩壊して、戦後日本のあらゆる「権威」が地に引きずりおろされ、大衆に踏みにじられた時、官僚はその第一のターゲットになった。政高官低が叫ばれ、この激しく変化する世界の中では、「総理大臣とその周辺が政府を強い力で一元的に操縦できるようにし」ないと駄目だという声が高まった。その波頭に乗って2014年、国家公務員制度改革関連法が採択され、新設の内閣人事局が各省の審議官級以上の幹部職600人の人事を直接決めることとなった。これによって、総理とその側近は各省に対する非常に強い力を得たのである。

しかし面白いことに、安倍総理の側近には官僚が多い。通常は非官僚がなる政務担当首席秘書官も、官僚である。政治主導と言いながら、実際は官僚が総理の力を背景に政策を切り盛りしていくこととなってしまった。そこには霞が関の官僚に染みついた、政治家の意向忖度とか、ゴマすりとか、気にするのは国会とマスコミだけという視野の狭さとか、社会の実態、世論の声に対する鈍さとかが出てくる。今回の加計学園問題への対処も、そういった体質と無縁ではない。「禊」としては、内閣改造より、総理周辺人事を一新してもらった方がすっきりする。

官僚のような特定の集団に依存することで政治が歪んでくる例は、ロシアにも見られた。プーチン大統領の側近が旧KGB出身者で占められていた時がそれで、KGBの体質、つまり経済でも何でも権力者が命令することで動かせるという思い込み、思い上がり、そして秩序の維持を至上のものとする故の取り締まり体質は、社会の雰囲気を重く沈んだものとしていたのである。トランプ政権も御側用人が変人たちで、それが米国の内外政を随分歪めているのだが、それについてはまた後で。

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