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2010年12月 2日

ウィキリークのどこがいけないのか?

ウィキペディアならみんな毎日使っているかもしれないが、ウィキリークとなるとどうか。昔日本に「噂の真相」という暴露雑誌があって、眉に唾つけながらけっこう熱心に読んだものだが、アメリカのウィキリークもそれと似たようなものらしい。それが今度、国務省と出先の大使館の間でやりとりされた電報数万件をネットに掲載したようだ。

国務省の現場はずいぶん困ったことだろうと思う。一つは、方々の国で米大使館員に情報を提供した者達の名前が書いてある電報もあるそうで、それが公になってしまうとこの人達は現地の官憲やテロリストのブラックリストに載ってしまい、時には生命の危険にさらされる。

もう一つは、一度こうしたリークが起きると、電報が外部に漏らされないよう、それが回覧される範囲が狭く限られてくるだろうということだ。ロシアや中国のように上司の命令ひとつで部下が動かなければならないところと違って、米国や西欧や日本の政府は部内で情報をシェアし、それによって意識の統一をはかって、決定執行の能率を向上させているので、その情報が上部だけ、あるいは直接の担当者の間だけで止まってしまうと、組織が機能しなくなる。

つまり今回ウィキリークがやったようなことは、アメリカ政府を困らせるだけでなく、アメリカ国民全体の利益を損ねることなのだ。

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