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2009年6月 8日

江戸時代の沖縄の生き方

沖縄の首里城に行くと、王のいた建物の両脇に迎賓館がある。ひとつは日本、もうひとつは中国の使節がきた時に泊まったものだ。

日本は史上はじめて、アメリカと中国というふたつの大国に両側からはさまれている。今のところ「中国が強くなればなるほど、日本はアメリカにとって大事な同盟国になる」という意見がアメリカ政府の対日政策の背骨を作っているが、「中国にアジアをまかせよう」とする向きもまた根強く残っているようだ。

万一、後者の意見がアメリカで強くなったときにも、日本の利益が犠牲にされるのを防ぐためには、どんなことをやっておけばいいだろう? あるいは、今は拙速に動かないほうがいいのか? いや、その前に日本は米中の狭間でそもそもどのような国でありたいと欲し、何を守りたいと思っているのか? そのことについて、国民的な合意はあるのか? そしてそのような価値判断を含むことについて、国民的な合意が成立するものだろうか?

今、僕が考えているのは、「日本は戦後60年、自由と民主主義が定着した社会となった。これを守るためには日米安保条約が欠かせない。もしアメリカが日本との関係をこれまでほどに重視しなくなっても、日本はアメリカ、中国の二つと緊密な関係を維持し、そのバランスの上に生きることだ。江戸時代の沖縄が、やったように」ということだ。

具体的に何をやるかと言うと、①アメリカとは自由貿易協定を結び、そして②20年後には中国・韓国と「北東アジア共同体」を結成することを念頭に、今から段階的に準備を進めていくこと、である。本部を韓国に置く「北東アジア共同体」を20年後くらいには樹立することを目標に、議論を進めていくことは、日中韓の間の求心力を維持し、中国の政策が帝国主義化するのを少しは止め、韓国が日中の間で揺れ動いて北東アジアの力のバランスをそのたびに揺するのを防ぐ効果を持つだろう。  

以上、まだまったくの思いつきの段階なのだが。           河東哲夫

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