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2019年5月30日

日本の宇宙開発の使命は地球防衛で

(これは4月22日発行のメルマガ「文明の万華鏡」第84号の一部です)

 先日、宇宙開発事業団(JAXA)についての話しを聞く機会があった。日本はけちで、宇宙のことなど対応が後れに後れているのだろうと思っていたのだが、豈にはからんや。予算(約3000億円)から行くと、中国、ロシアに遜色ないそうだ。JAXAはHⅡ-Aや固体燃料のイプシロン等、性能、信頼度とも世界第一流のロケットを開発し、先日の「はやぶさ2」の小惑星着陸のように素晴らしい技術を有していながら、「後れている」という印象を一般に持たれているのは、有人宇宙船の打ち上げをしていないからだろう。

しかし日本は宇宙船を製造する技術は持っているし、既にモノを運用している。それは国際宇宙ステーションへの物資補給船「コウノトリ」で、これは世界最大級6トンの積載能力を持っている。無人で打ち上げられても国際宇宙ステーションにドッキングした後は人間が入り込み、居住することができる宇宙船なのである。

つまり日本は、有人打ち上げを除いては相互に有機的な連関性を持った一連の技術を開発していて、軍事に偏向した中国、ロシアよりも総合的なのだそうだ。

これを外交、日本のイメージ向上に使わない手はない。米中ロの大国が宇宙から敵を狙い撃ちする技術、敵の衛星、衛星通信を無力化するような、子供っぽい軍事技術の開発に血眼をあげるのを尻目に、日本は「宇宙国際法」の整備を呼びかけ、大国同士が宇宙空間で偶発的衝突をするのを防いだり、「地球防衛隊」の設置を呼び掛けて、10年先には地球に衝突することが確実(20年先まで今の技術でわかるのだそうだ)な小惑星にロケット・エンジンを植え付けて軌道をずらす事業を始めるとか、したらいい。

今の世界では、「米中ロ印といった大国でなければ国にあらず」といった風潮が強く(メディアがものごとを単純化して考えるのに長けているからだ)、日本など「お呼びでない」のだが、そこはどっこい大国の下の関脇以下のクラスも糾合し、金星を挙げればいいのだ。

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