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2015年11月21日

SNSと難民とサウジ・アラビア

(先月のメルマガ「文明の万華鏡」に掲載したもの。従って、少し古くなっています)

シリアだけでなく、イラク、アフガニスタンからまで、難民の大群が欧州に押し寄せているのは、本当に奇妙だ。奇妙というのは、「なぜ今、突然一挙に示し合わせたかのように」ということである。Travel agencyのように、欧州行をアレンジする業者が沢山いるし、FacebookなどのSNSで「欧州に行きましょう。ルートは・・・」式の情報が流されているようだが、どうしてこんな一度に、ということがわからない。

CIAは「これはロシアの諜報機関が、EUを困らせ、対ロ制裁から離脱させようとしてやっていることだ」と言い、ロシアのFSBは「これはCIAがやっていることだ。EUを困らせ、対ロ制裁から離脱しないようにしている」と言う。

また、難民のEU行きを斡旋している業者には、「ロシア語を話す者」が多いという報道もある。これは中東のテロ勢力に出稼ぎ半分で加わってきたロシアの北コーカサス地方(チェチェン、ダゲスタン、イングーシ、オセチア、チェルケスなど)出身者達だろう。彼ら「ロシア語を話す者」は、いずれの武装勢力にも入り込んでいる。ISISにもいるし、米国・サウジ・アラビア系の反アサド勢力にもいる。ウクライナではポロシェンコ政権側で働くチェチェン人もいるし、親ロシア派勢力の中で働くチェチェン人もいる。今回シリアでのロシア戦闘機の爆撃は、ロシア帝政時代からここに避難してきた「チェルケス人」集落に対して行われたとロシア側は言っているが、それだけ地上のターゲットを特定するためには、地上に通報者=スパイがいなければならず、そこでは「ロシア語を話す者」が重用されているのだろう。

伏魔殿の世界なのだが、話しを戻すと、これだけ期を同じくして難民が大移動を始めた背後には、アルカイダのようなネットワークがあったのだろうと思う。目的は金儲けである。問題を起こしそうな中産階級をただ皆殺しにするよりも、財産を奪って国外に自分で歩いて行ってもらった方がよほどいい。

心配なのは、これまではSNSを使った騒動を国内で起こされてきたロシアが、今度は自分でSNSを使って例えばサウジ・アラビアで「しかけて」きたらどうなるか、ということである。原油価格暴落でこれまでの手厚い社会保障ができなくなり、国民の不満が高まった時に、王族内の権力闘争がからむとどうなるかということである。その頃にはイランの石油が大量に出て来るからいいようなものだが、サウジの石油が止まったら、その影響はハンパなものではない。

そして、難民を手引きする業者がいるということについては、北朝鮮、あるいは将来の中国で、ボロ船を仕立てて―と言っても鑑真の頃よりははるかにましな―難民を日本に大量に送り込む輩が現れることも、考えておかないといけない。
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