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街角での雑想

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2010年9月25日

尖閣は中国をめぐる国際関係の分水嶺

不透明な、「漁船」船長の釈放だ。チャーター機まで受け入れて。先方が日本の会社員を拘留したのなら、こちらも変なことをしている中国人を拘留すればいいのだ。日本の外交官はさぞかし、諸国で恥ずかしい思いをしていることだろう。
今後、中国「漁船」による尖閣周辺密漁はますますひどくなるだろう。日本政府はどうするつもりなのか? こうなる可能性があったから、沖縄の海兵隊は重要なのだ。尖閣の次は南西諸島、そして沖縄だろう。


リーマン・ブラザーズ恐慌で、米国を相手にはもうそれほど儲けられないと思い込んだ中国は、今まで溜めこんだ富の力を過信して、プロパガンダや公安機関で固めたソ連的体質をもろに露わにし始めた。2012年、共産党総書記が交代することもあり、党内では過激なナショナリスト的言辞が幅を利かせやすくなっているのだろう。

われわれは、どうしたらいいか?
まず視野を広く持って、日中関係には日本だけで対処しようとせず、日本に有利な国際環境を作っていくことだ。
(1)まず米国にもっと危機感を持ってもらわないといけない。中国を相手に儲けたいという意識が、安全保障面での脅威に対する米国の目を曇らせている。
中国海軍が東シナ海、南シナ海で優位になれば、米太平洋艦隊はインド洋、そして米国にとって何より大事な中近東に行けなくなってしまう。この点を米国にもっと認識してもらうことだ。

(2)次に、中国で製品を組み立て、先進国へ輸出するこれまでの西側企業のやり方を是正していく。我々の直接投資が中国国民を豊かにするのならいいが、軍や公安を太らせて、我々に歯向かわせるのであれば、もとを絞らざるを得ないだろう。
それに、政府間で問題が起きれば相手国の国民を拘留するような国では、安心して操業はできない。
中国の労賃は上昇している。ASEAN、中南米、アフリカに先進国の生産・輸出ベースを移しても、もうやっていけるだろう(中国では中国国内市場向けの生産を主とする)。

(3)極東ロシア・東シベリアを、日本、米国、韓国などによって共同開発を進める。

(4)中央アジア諸国、モンゴルとの関係を強化する。

コメント

投稿者: noutori | 2010年9月26日 11:53

仰っていたように中国の「ソ連化」が進んでいますね。拘留など対抗手段はあるでしょう。米国ですらかって東芝にやりました。また観光博に急遽中国が参加しないと当惑しているとの報道がありますが、この行為はソ連化の象徴ですから嘆いていないで「各国のコックさん」に中国がこのような国であることをPRする絶好の機会、いかに有効に使うかに知恵を絞るべきです。
なおフジタ社員が健康状態が良いと公表していますが、なんと馬鹿なことを外務所はするものかとあきれます。これで中国は「健康状態に鑑み人道上の見地から・・」との方策の可能性を失い、原因は敵失なのですから。
政治主導も結構ですが肝心のときは地検に責任を押し付け、中長期の総合判断もできないままにビホウ策に走る。かたや官庁たたきが唯一のスローガンで役所の能力は低下する。なんとも困ったものです。

投稿者: baiksaja | 2010年9月27日 11:45

 国内法に基づき粛々と、などと言いながらも官房長官の発言が途中から腰砕け気味になり心配していたら、案の定温家宝に恫喝されたら無条件降伏をしてしまった。
 検察が国政を慮って判断を下すなどと言う事はあってはならないが、今回は政治判断であったのだろう。それにしても、今後の同様事件では海保はどう対応すれば良いのか。もう拿捕も船長逮捕も出来なくなり、中国による尖閣諸島の実効支配を認めたような幕引きはとんでもない過ちである。
 船長の釈放にも関わらず、中国は日本人の拘留を続け、さらに呆れる事には謝罪と賠償を要求している。日本は海保の巡視船の修理費も要求していないのにである。レアアースの輸出ストップや日本人拘留などのヤクザ的な報復を恐れていては、肝心の国益が守れない。冷静に、しかし筋は通した対応を貫く事をもう一度確認して貰いたいものである。

投稿者: Japanstandup | 2010年9月27日 16:12

中国という国は国の上に共産党が存在し、その一党が国を支配するという構造になっている。私たちと同じ政治制度があり同じ行動様式と考えていると大間違いであることがやっと全国民の間でも浸透するのではないか。北朝鮮と同様に教科書で嘘を真実のごとく記述し、自国民をブレインコントロールしている。そして国民はそうした事実を全く知らされていない。自分たちの嘘を棚に置いて、他国の教科書がどうのこうのと言いががりを付け、それに真摯に対応している日本。まさに石原都知事が述べている『ヤクザ』以上のことを平然と行う国に対してなんとナイーブなことか。
もう友愛とか人間として対応するのは止めようではないか。悲しいが『ヤクザ』に対抗するには『ヤクザ』以上に国として準備をする必要があるのではないかと思われてしまう。

投稿者: Kawato | 2010年9月27日 20:08

I am now in Moscow for teaching, but I thank you for your encouraging comments.
As you say, the government has given up the Senkaku Islands, and their next possible histerical move will be a military one. At least one vessel will be sunk.

投稿者: katsu | 2010年9月28日 12:50

尖閣列島の問題、中国側のあまりにも常識外れな行動・
対応にあきれるばかりですが、そういったものに対して
どう向き合っていくかということこそ、政治・政治家の
役割なのではないかと思います。

現政権は、こうした問題に対して、常に最初は原理原則
論で正面から衝突して、引き下がれなくなった相手の
強行手段に腰折れする、というパターンを今後も繰り返す
のだろうか、と、非常に不安になってきます。

火が大きくなってからでは、誰だって消すのは難しいと
思います。
火がまだ大きくなっていない時点で、いかにバランスの
取れた、一本筋のとおった処理ができるかが、全てなの
ではないでしょうか。
もっと言えば、その火の鎮火を怠れば、どのくらいその
火が大きくなっていってしまうのか、そのことに対する
想像力がとても重要だなと感じます。

「国内世論をおさえこむためには、中国政府も強い態度に
出ざるをえないわけであって・・・・」といった紋切り
型の背景分析ばかりを軸に今回の問題を総括している一部
のマスメディアもどうかとは思いますが・・・・。

投稿者: sekisan | 2010年9月28日 17:16

中国は革命以来、自由化と弾圧を繰り返してきましたが、もうそろそろ危ない次期ではないでしょうか?

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