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街角での雑想

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2009年12月17日

日米関係に本当の黄信号――普天間より「自動車差別」

大学の授業などで書いている時間が足りないのだが、今朝CNNを見ていたら非常に心配なニュースが出ていた。普天間は日本では大騒ぎだが、アメリカではそうでもなかった。この件は両国の担当当事者間の話し合いで粛々と進んでいた(乃至停滞していた)と僕は思っていたが、歴史というものは思いがけない方面から出てきた一事があっという間に全体に及んで破滅に至ることがある。要するに、悪い時には悪いことが重なるということ。例えば、ソ連崩壊の時のプロセスなど、人力を超えた歴史の冷酷な歯車のようなものが感じられた。その点は、熊野洋の名で小説「遥かなる大地」(草思社)に如実に描いた。

で今朝のCNNが何を言ったかというと、「日本が日本版Cash for Clunkersから米国車を締め出した」ということなのだ。Cash for Clunkersとは、NYに長く在住して経済関係のメルマガを毎日送ってきてくれる「安田さわこ」www.tandcfrusa.comさんによると、住宅を環境改善がらみで改修したりすると当局が補助金をくれる新しい仕組みだそうで、最近ではタイガー・ウッズをゴルフ・クラブでなぐったと思われるウッズ夫人を抑えて堂々のインターネット検索ナンバー・ワンなのだそうだ。

で「日本での乗用車購入補助金からは、米国車が除外されている。許せない(outrageous)」というわけだ。今調べる時間がないが、多分輸入車は対象から除外してあるのだろう。米国でも、乗用車購入補助金を出していると思うが、日本車は対象になっていたかどうか。

問題は、米国世論が乾いた野原のようになっていて、これもワシントンに長く在住する日本人ウォッチャーによると、「今アメリカの中産・下層階級は、生活不安から指導者を失った野牛の群れの暴走状態です」ということで、特に格差、差別に神経質になっている。「米国車が締め出されたあげく、それでまた雇用が減る」と思い込み、日本車不買運動を始めるだろう。そしてそのことは、今の日本世論に逆方向のリアクションを呼び起こし、まるで戦前の日本人移民制限問題当時のようなことになってしまう。

世論というものは、一度信じ込まされると、他人が何を言おうが、それが真実でなかろうが、耳を傾けない。この自動車の件については、早急に手を打つべきだと思う。火に油を注がないよう、
細心の注意を払いながら。

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