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街角での雑想

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2009年11月22日

まだ国債増発して大丈夫か?

民主党政権は国債大増発の構えだ。僕はこれではインフレ必至だと思い(今はデフレ気味ですが)、90年代初めモスクワにいた頃の、2年で6000%のハイパー・インフレの情景(ロシア人の貯蓄はほとんど全て、価値を失った)など書こうと思っていた。

ところが今日、最近のデータをひっくりかえしてみたら、少し違う事情が浮かび上がってきた。もしかすると、状況はまだ危機的というほどではないかもしれない。それどころか、自民党政権もやろうとしていたように、不景気の今は少し多めに予算を使った方がいいのだ。

ただ折角予算を使うのであればばらまきではなく、社会保障拡充、1戸あたり住宅面積の拡大、住宅の耐震性強化、市街地の景観・心地よさの向上など意味のあることに使うようにするべきだが。

とは言え、まだ自信の持てる意見ではないので、今日はいくつかの材料を書いておくにとどめる。
赤字財政を適度なレベルで継続できる政治力が政府にあれば(一度赤字にしてしまえば、予算請求に歯止めがなくなり、財務省にはあらゆる圧力が押し寄せるだろう)、民間消費が足りない我が国経済にとっては、国債発行も良い効果をもたらすのかもしれないということだ。もしかすると、北欧諸国などはそうした政策で、生活のあの心地よさを実現しているのかもしれず(普通の中産階級で200平米ほどのアパートに住んでいる)、これからちょっと検証してみようと思っている。
諸方のコメントをお願いする。

1.家計の金融資産額は、日本経済が好調だった(究極的には米国への輸出に依存しての)05年から07年にかけては、毎年平均30兆円強増加している(但し07年9月から08年9月の間には5,5%減少して1467兆円になっている)。

2.日本の政府がGDPの2年分ほどに相当する負債(国債を中心として)を抱えている一方では、2006年1月時点で社会保障基金、内外投融資、外貨準備などの政府金融資産は、GDP年額に匹敵していた。
2006年の政府負債額から右の資産額を差し引くと政府の純債務は315兆円で、対GDP比率は60%程度となり、ドイツ等ユーロ地域並みとなる(06,1.31 エコノミスト 菊地英博)。

3.そして2006年頃だと思うが、中前忠氏は日経で次のことを書いている。金利が少々上がっても、政府が国債返済負但増加でつぶれることはない、なぜなら金利が上がれば国民の所得も上がり、より多くの税金を払うからだ、ということだ。

①預貯金金利と国債利回りが3%に上昇すると仮定しよう。国の追加的な金利負担は1.5%、7.5兆円の負担増となる。他方で家計部門は金融資産1,400兆円、負債400兆円、純金融資産1,000兆円を保有している。3%への金利上昇は30兆円の利子所得を復活させる。この20%が源泉徴収され、6兆円の税収増となる。

②家計部門が税引き後で24兆円の利子所得の大半を消費に回せばこの5%、1.2兆円が消費税収となり、①と合計7.2兆円の税収がもたらされる。7.5兆円の政府の金利負担増のほとんどを賄ってくれる。                                          河東

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