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街角での雑想

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2009年10月20日

財務省の役人が見た日本官僚制のふるさと(?)イギリス財務省

英国の財務省に最近数年間出向した日本財務省官僚がいる。その高田英樹氏が本当に面白い報告書をネット上で公開している。www.geocities.jp/weathercock8926/treasuryfinalreport.html

ここでは、①政官の間の隔壁がしっかり作られていると我々が思っている英国の政府が、実は労働党政権下、米国的な政治主導の様相を強め、最近ではむしろその行き過ぎが指摘されることもあること、②英国は10年ほど前までは現在の日本と同じような状況にあったが、労働党政権下大きな変化が起こって、今では官僚は諸省庁の間を自由に転職し、民間企業にも数年は出ないと一人前とみなされなくなっていること、③他方、国会答弁などは政治家が自力で処理する比重が大きく、官僚に過重な負担がかかっていないこと、④予算作成手続きも合理化されていること、等々が克明に説明されている。

最近では何かというとすぐ「政治主導」の言葉が発せられるが、ものごとは言葉にとらわれずに合理的・合目的的にやってもらいたい。

ただ表面だけ外国をまねようと思ってもダメで、終身雇用を前提とした日本の組織原理が政府と民間の人事交流を大いに妨げていることなど、社会の慣習自体を変えないと、改革はできない。労組なども巻き込んで、日本生き残りのために大いに改革議論をやらないと、日本の富は既得権益者がむしり取っていってしまい、若い世代のためにはカスしか残らなくなる。

経済を伸ばすことより、どうやって今ある富を分け直すかばかり考えている今のゼロサム社会は、破滅に向かっているのだが。1991年のソ連崩壊のようなことにはなってほしくない。

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