Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
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街角での雑想

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2009年10月17日

ワン・クリック投票のテーマ更新しました

このページの左肩「ワン・クリック投票」のテーマ更新しました。是非、新たにクリックして投票(1回しかできません)して下さい。

これまで約半年のせていた投票の結果は次のとおりです。これまでさぼっていましたが、今回初めて集計結果を御報告します。

日本語問い:「留学するとしたらどこがいいですか?」
これに対して回答総数は555。そのうち

「外国留学はもはや時代遅れ。日本だけで十分」が38%
「中近東」が15%
「中国」が14%
「東南アジア」が8%
「米国」が12%
「その他」が12%

これが示すものは、日本社会の内向き性向が少し高まったこと。そして「猫も杓子も米国留学」の時代が終わったこと。杓子の一人としてさびしいものがあります。日本だけにいても、世界の常識、そして世界の作法はわかりません。一生に一度、できれば30歳前に留学しましょう。


英語問い:「米国にとっていちばん重要だと思う地域は?」

回答総数294のうち、

西欧が23%、イスラエルを含む中近東が13%、東アジアが20%、ロシアと旧ソ連諸国が17%、中南米が13%、その他が15%。

中近東が意外と低いのが驚き。もっともこのブログを見ているのは、東アジアに関心を持つ人が多いでしょうから。そしてロシアと旧ソ連諸国が結構、地位を保持しているのも驚き。

中国語問い:「あなたは日本の何に一番関心を持っていますか?」
回答総数304のうち、

政治が16%、日本の対中政策が18%、経済が14%、伝統文化が14%、ポップ・カルチャーが14%、歴史が9%、その他が13%。
このブログを見ている人は日本の対中政策に随分関心を持っている、ということ。そして伝統文化(ほかならぬ中国文化が占める部分大でしょうに)、ポップ・カルチャーに強い関心を持っているということは面白い。一言で言えば、中国人は日本をまだ随分気にかけているし、文化にも真剣な関心を寄せているということ。

ロシア語問い:「あなたは自分の子息をどの国の大学に行かせたいですか?」
回答総数199のうち、
ロシアが18%、英国が16%、日本が19%、米国が15%、中国が12%、ドイツが13%、その他が7%。

なんと、日本が1位になっているのですが、ロシア人特有の、「このブログは日本人がやっているから」という御祝儀相場、そしてこのブログの読者には日本に関心を持つ人が多いのだろうということが、その理由でしょう。
そして、「ロシア回帰」が目立ちます。1990年代の混乱期には、ロシアの金持ちは子息を英国に留学させるのが常識でしたが、社会が落ち着くにつれ、ロシアの教育水準の高さ、そしてロシア国内での人脈形成に適していることが再評価されて、国内の大学にまず就学する例が急増したのです。
なお、この調査でも中国がメジャーな留学先になっていることは注目するべきことです。ソ連の昔から、アジア専門の中では中国専門家が主流の地位を占めていました。

コメント

投稿者: 村上 紹夫 | 2009年10月17日 03:00

 僕も全く同感です。出来ることなら若いうちに一度海外を経験すべきです。海外で、初めて日本の良さの再発見も島国根性の特殊性も見えてきます。

投稿者: 岩浅紀久 | 2009年10月17日 06:55

面白い結果ですねえ。実に面白い。 同じ問いを、幾つかの言語でしてみて、結果を分析する。河東様ならではのユニークな試みです。
それにしても留学先への集計は意外でした。「何でも見てやろう!」という外への興味が失せているとすれば、ゆゆしいことです。
学問の内容の問題ではなく、従って国はどこでも良いのです。 若者が外へ向って、興味を持つかどうかが問題です。

投稿者: 岩浅紀久 | 2009年10月17日 06:58

面白い結果ですねえ。実に面白い。 同じ問いを、幾つかの言語でしてみて、結果を分析する。河東様ならではのユニークな試みです。
それにしても留学先への集計は意外でした。「何でも見てやろう!」という外への興味が失せているとすれば、ゆゆしいことです。
学問の内容の問題ではなく、従って国はどこでも良いのです。 若者が外へ向って、興味を持つかどうかが問題です。

投稿者: 石川 雅一 | 2009年10月17日 09:41

河東先生、いつも貴重なる調査をありがとうございます。「外国留学はもはや時代遅れ。日本だけで十分」が38%というのは正直ショックでした。四辺を海に囲まれた海洋国家は、外への関心が本来高かるべき筈なのですが。ビジネススクールの教授も、最近は海外赴任希望者がどこの会社でも少なくなっていて、大手商社でさえも、海外希望が少なくなっているのは嘆かわしいと言っていましたが、本調査はそのことを裏付けているようです。某放送局でも、だいぶ前に「特派員」という用語を使用禁止にしました。海外が当たり前になりすぎて、特別派遣という時代ではなくなったという考えがその廃止の根底にあります。
「米国にとっていちばん重要だと思う地域は?」
も面白い設問だと思いました。これを答えた人々には様々なパラメーターがあったのではないかと思います。それは、ルーツとしての重要地、マーケットとしての重要地、地政学的重要地、宗教的な重要地、資源確保のための重要地、経済的パトロンにとっての重要地などの変数ではないでしょうか。

投稿者: 関 淑子 | 2009年10月17日 11:17

河東先生

やはり、日本は心理的鎖国時代ですね。
あまりにも急激な国際化というより欧米化だったから、一休みしたいのは分かります。

私もスペイン、中南米、米国で青年中期から中年期を過ごしましたが、結局、今の日本は世界的に見てとても幸福な状態だと思います。

しかし、ハングリーさが無くなると、退化しますよね。

米国の傘に頼れなくなったら、どうするのかの論議を真面目にやることが重要ですね。少しは引き締まるかも。

投稿者: 関 淑子 | 2009年10月17日 11:18

河東先生

やはり、日本は心理的鎖国時代ですね。
あまりにも急激な国際化というより欧米化だったから、一休みしたいのは分かります。

私もスペイン、中南米、米国で青年中期から中年期を過ごしましたが、結局、今の日本は世界的に見てとても幸福な状態だと思います。

しかし、ハングリーさが無くなると、退化しますよね。

米国の傘に頼れなくなったら、どうするのかの論議を真面目にやることが重要ですね。少しは引き締まるかも。

投稿者: たみやともえ | 2009年10月19日 15:34

中央アジア3カ国+ウクライナの日本センターを拠点に、日本からの留学生を受け入れようとJSPSの日本人学生・研究者海外研修制度を大学に紹介して回りましたが、「昨今の学生は海外に行きたいない!」との回答。補正予算案件なのでぽしゃりそうですが、広島大学の学生は、京都でも行きたくない!という回答に驚きました。30万人受入計画もかなり無理があるようですが・・・

投稿者: なかざわ けんじ | 2009年10月22日 15:48

明治以降の近代化を進める上で先進国の技術を学ぶために留学が必要不可欠な時代がありました。その頃留学は一部エリートないし強い自立の精神を持つ人々にのみ可能でした。70年頃から英語を学んでMBA留学をすることがビジネスエリートへの近道であると信じられ派遣留学生の数も自費留学生の数も増大し留学の大衆化の時代が30年以上続きました。国際金融危機の後の大きな打撃と幻滅の後では欧米留学信仰の後退は不可避です。しかしこれらはあくまで留学に関する外的要因の変化であり、日本人の心の中が変わった訳ではないでしょう。日本というシステムの内部流動性が高まらなければ外国を見てやろう、それを日本の国作りや自分の生き方に役立てようと考えるのは大きなリスクを伴います。その点では昔も今も変わっていないと思います。

投稿者: なかざわ けんじ | 2009年10月22日 15:48

明治以降の近代化を進める上で先進国の技術を学ぶために留学が必要不可欠な時代がありました。その頃留学は一部エリートないし強い自立の精神を持つ人々にのみ可能でした。70年頃から英語を学んでMBA留学をすることがビジネスエリートへの近道であると信じられ派遣留学生の数も自費留学生の数も増大し留学の大衆化の時代が30年以上続きました。国際金融危機の後の大きな打撃と幻滅の後では欧米留学信仰の後退は不可避です。しかしこれらはあくまで留学に関する外的要因の変化であり、日本人の心の中が変わった訳ではないでしょう。日本というシステムの内部流動性が高まらなければ外国を見てやろう、それを日本の国作りや自分の生き方に役立てようと考えるのは大きなリスクを伴います。その点では昔も今も変わっていないと思います。

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