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街角での雑想

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2014年11月10日

CNNでの日本政府コマーシャルは逆効果

CNNには、外国政府が作った広報コマーシャルが良く出て来る。だいたいが観光宣伝で、"Malaysia, truly Asia"など本当によく作ってある。

で、今日見ていたら、中国で日本人のボランティアの人たちが一生懸命植林に励んでいます、というシーンが出てきた。日本人がインタビューにも答えている。中国北部では木を切りすぎたために砂漠化や水不足が生じているので、「ああ、これはいい。日中の市民間の交流を温かい目で取材したいいニュースだな」と思って見ていたら、画面が変わり、ものすごく固目の安倍総理の写真と、日本政府提供というキャプションが出てきた。興醒め、ダサい―――世界中の視聴者が、そう思ったに違いない。

僕は安倍政権を支持しているが、この政府広報はいただけない。さりげなく放送してこそ、「ああ、日本人は中国のためにいいことをしているんだな」と世界の人に思わせることができるのに、安倍総理の写真と「日本政府提供」をデカデカというのは、まるで専制主義国家の政府の役人の感覚だ。「自分の国の指導者は、世界中の人間にとっても偉いのだ」という感覚。

この頃政府が海外での広報を強化しているのはいいのだが、多分横でいろいろ言う人たちがいるのだろう。「政府の予算でやっているんだ。安倍総理の顔を出せ。日本政府がやっていることがわかるようにしろ」とか。そういう人たちは、予算の無駄遣いを防ぐつもりで、その実日本に害となる広報をやっている。このようなやり方は、世界中の視聴者に、日本も中国や北朝鮮と変わらない専制主義の国、権威主義の国なのだと思わせ、反感を持たせるものなのだ。

外国に向けて広報をやる時は、受け手の心理を考えてやらないといけない。もっと若者に、伸び伸びとやらせたらいい。

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