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街角での雑想

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2018年8月 9日

消費者物価2%増の目標が達成できないわけ

アベノミックス、日銀の「消費者物価2%増」という目標は、そういう数字で生産者の気分を明るくし、設備投資を増やさせる効果を狙ったもの。2%が「達成」できたかどうかより(消費者としては、達成して欲しくない)、設備投資が増えたかどうかで成功度を測るべきものなのだ。

設備投資は昨年あたりから増加が目立つ。しかし内需より輸出の増加にプッシュされているので、アベノミックスのおかげというより、アベノミックスの副産物である(実際には主産物になっているが)円安のたまものだ。

やはり「物価上昇期待をかきたてて、設備投資を増やさせる」という目くらまし理論は、通貨の発行量をやたら増やさせただけで、効能書き通りには効いてない。

今のところ、間違った見立てのせいで財政が破綻するなどの被害が出ていないからいいが、当局も経済学者も、現代の日本や米国での価格は、中国という新しい因子が入ってきたことで、以前とは違う動きをするようになっていることをちゃんと認識しておいてほしい。

中国製の安価な工業製品が米国や日本に大量に流入することで、これら社会は恒常的なデフレ(デフレと言うと悪い意味を持っているので、「値下がり圧力」とでも言おう)圧力下にある。100円ショップに行くと、以前なら1000円程はしただろう、がっちりした鋏を100円台で売っている。モノづくりは賃金の安いところにどんどん出て行くので、工業製品の価格は下がり続ける。

消費者が値下げをいつも期待しているので、国内企業はこわくて値上げができない。そこで、中身を減らしている。僕のいつも買うハムのパックは、値段は変わらないのに一枚減った。4枚が3枚になったので、25%の値上げに等しい。

こういう値下げや、実質値上げ、双方とも消費者物価統計ではちゃんと反映されず、数字を実感から遠いものにしてしまう。消費者物価目標はこれから当分、政策で使われないだろうけれど、このような統計と実感のずれを早く治しておいて欲しい。

ああ、それから経済理論の方も、現実にもうちょっと近いものに直しておいて欲しい。学者の中には、「理論」をやたら信じている人がいるが、数十億もの人間がばらばらなことを考えるこの世界で、いつも通じる法則や理論は非常に少ないだろう。

自分の思い込みを総理に実行させて、うまくいかなかったらその責任は総理が負うのだけれど、それだけでいいのかと思う。

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