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日本安全保障

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2019年6月26日

トランプが言うように、日本は中国とホルムズ海峡を守ればいいじゃないか

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ペルシャ湾のホルムズ海峡の通航があやうくなっていて、船の保険料が10倍に値上がりしているらしい。しかし、船員達が就業を断っていないだけでもましだ。1991年の湾岸戦争の時には、全日本海員組合はペルシャ湾方面への乗船を拒否したのである。

今のところトランプ大統領がイランとの戦争を避ける姿勢であるのが救い(と言っても、今回の事態を引き起こしたのは、彼の軽率なイラン核開発合意からの撤退なのだが)だが、24日彼は、ホルムズ海峡を使用している日本や中国は自分でタンカーを守るべきだと放言した。これで全日本海員組合はペルシャ湾方面への乗船を再び拒否するかもしれない。実際には「日本のタンカー」は他国の船籍になっており、しかも乗組員の大半は外国人なので、日本の海員組合がボイコットを決めてもタンカーは動くのだろうが、社会は原油が途絶するものと思ってパニック。株価は暴落、ということになりかねない。

ところで、「日本は自分で自分のタンカーを守れ」というトランプの言葉は、全く実行不可能というわけではない。自衛隊は「ソマリア沖の海賊退治のために」、紅海出口のアフリカ岸、ジブチ共和国のジブチに「拠点」(英語ではbase=基地になっている)を設け、少なくとも護衛艦1隻が常時ゾーン・ディフェンスに当たって実績を上げているからだhttps://www.mod.go.jp/js/Activity/Anti-piracy/anti-piracy.htm

これは「海賊対処法」(平成21年7月施行)によるものだが、これを援用すれば、ホルムズ海峡で「海賊」を退治することもできるだろう。トランプが日本と中国は自分でタンカーを守れと言うのだから、海上自衛隊と中国海軍の軍艦が一緒にホルムズ海峡を守れば、尖閣方面が手薄になって中国海軍に付け込まれることもないだろう。いやむしろ悪乗りして、日本が中国と共にホルムズ海峡防衛のための多国籍軍組成を呼びかけたら、世界はビックリ仰天。日米同盟関係も大きく変わることだろう。そしてその上で、イランとは原油輸入を再開する代わりに核開発停止の確約を得、イランとの平和を望まないサウジ等には文句を言わせない。今や中国と日本は、米国に代わってサウジ・アラビア原油の最大の顧客なのだから。

もう一つ心得ておく必要があるのは、「ペルシャ湾から出てくる中東原油」の代替物が、一頃よりかなり多くなっているということである。まずサウジ・アラビアの湾岸油田地帯から砂漠を東西に横切って、紅海に原油を運ぶパイプラインが通っている。サウジの原油は湾岸から1500万バレル・日搬出されているが、このパイプラインは500万バレル・日を通す能力を持っている。但し最近ではイェメンのフーシ派等からの攻撃を受けて、停止することもある。

ロシアのサハリン、シベリア産原油の輸入を増やすこともできる。2017年それは日本の需要の10%弱を賄うほどになっていたが、2018年は中国に「買い負けて」5%弱にまで落ちた。しかし中国はこれから不況で、ロシア原油の輸入量を減らすだろう。

そして米国のシェール・オイルも、もっと輸入できる。但し、米国のシェール・オイルの殆どはメキシコ湾岸から搬出されているようなので、日本は輸入しにくい。

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