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2012年4月14日

インド旅行記 バンガロールの日本

">バンガロールの日本
 
 百聞は一見に如かずで、バンガロールはデリーに次いでインド2番目に日本人が多いのだそうだ。バンガロール周辺のカルナータカ州における日本企業の拠点は182あって、インド全体の13%に及ぶ(インドには22の州と連邦直轄地がある)。

 バンガロールのJETRO事務所http://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/in_bangalore/からもらった資料では、アイシン精機、アマダ、ブラザー工業、カシオ、キャノン、シチズン、デンソー、ファナック、富士通、日立、堀場製作所、イビデン、日清食品、JFEスチール、豊田自動織機、コマツ、京セラ、村田機械、三菱重工、安川電機、日本電気、NTTコミュニケーションズ、第一三共、ルネサス、リコー、シャープ、東芝、矢崎総業、トヨタ、ヤクルト、安川電機、横河電機、横浜ゴムなどが進出している。
 
 IT、ソフトだけではなく、製造業も広い分野で進出している。トヨタはバンガロール郊外にほとんど一つの町を形成しており、インド人社員を養成するための全寮制高校まであるらしい。トヨタだけでバンガロール在留日本人の半分に達すると言うから、製造業の雇用力の高さがわかる。もっとも、ITソフトの開発も多くの人員を雇う。バンガロールのあたりでは、ソフト1社が万人のオーダーで雇用している由。但しソフト要員は一社に定着しないので、企業城下町はなかなか形成しないだろう。

 友人の紹介で、東芝(昨年買収したばかりのスイスのランデスギアがデリーに進出しているので、ここと組んでスマートグリッド用のソフトを開発している)の社長から話を聞いた。インドは独立後、社会主義的な経済政策をとり、ソ連の計画経済ほどではないにしても政府の力は強く、外資の流入は強く制限されていた。これが1991年、対外開放の方向に変わって(中国とは違って、外資による100%の出資さえ認める)、インド経済は成長率を高めたのだが、今ではビジネスの自由度はどのくらいかと思って聞いてみた。すると、①インドでビジネスをするうえで、連邦政府はほとんど関係がない、②「経済計画委員会」は残っており、各分野から出される計画を一まとめにしているが、企業にとっては発電量・道路建設の計画等が参考になる程度であり、全体として「計画」通りに経済が動くわけでもない、もちろん企業レベルの操業計画に干渉してくることはない、③州の間で外国企業誘致競争が行われていることもあり、地方の当局は外資を助けてくれるほうである、特に複雑な地権がからむ土地問題を処理して企業団地を作ってくれるのは助かる、団地では衛生、消防、その他許認可手続きも、企業団地に立地すると窓口が一つに統一されている、ということだった。

 日本の企業が外国に投資するのは仕方がないが、せめて利益の一部だけでも日本に送金してもらわないと、日本の国内は干上がってしまう。外国に出た日本の企業は本社への配当の形で利益を送金するのだが、インドの場合、株主総会の了承を得れば配当の送金に問題はないそうだ。但し、配当を行う企業は16%の配当税を取られる由で、そこはインド政府もしっかりしている。法人税は33%ほど、社会保障は基本給の12%相当を企業・従業員が折半するのだそうだ。そして、日本の国民年金に相当するシステムはまだない。バンガロールの日本企業の場合、インド国内の金融は地場銀行を使うことが多いのだそうだ。インド国内の支店数が多くて便利だからである。そして投資資金はITソフト企業の場合、銀行借り入れをするまでもなく、自己留保で十分まかなえる。

「日本企業の日本人は、指示があいまいなんです。能力はインド人の方が上のこともあるので、自分で何をどう動かしたいのかわかっていないような日本人幹部は軽視されるようになります」という人もいたが、東芝の場合、その心配はなさそうだった。それでも、一番の頭痛の種はインド人がどんどん転職していってしまうことのようだ。因みにここの東芝は420人を雇っており、新規の雇用は公募でやっているのだそうだ。


ある日本のソフト会社の例

 もうひとつ、ここでは名前を伏して、ある日本のソフト会社で聞いた話を書いておく。
「このあたりは、これからは生活が必ずよくなるという確信があり、明るさがあります。自社のインド人の給料は毎年14%あがっていますし、製造業でも10%はいくでしょう。新卒者の給料は5万円くらいで、私用車の運転手に払っている1、5万円に比べればはるかにいいものがあります。但し彼らは、キャリアを積むために、どんどん他社に移転していきます。流動率が高いのです。ホワイトカラーには労組がないので解雇もしやすいのですが、その暇もなく辞められてしまうほどです。ソフト・エンジニアは、インド人の方が日本人より能力が上です。インド工科大学IITに入れなかった者が、米国のMITに入る、と言われているくらいですから。だから、これまではソフトの設計は外国で、作成をインドでやってきましたが、逆の例も出てきているのです」

 「この現地法人の社長は将来、現地人にしたいですね。そうするとブラックボックスになってくるので、現地人、日本人と交代で務めるのがいいかもしれません。他方、インド人はチーム意識が強くて、ボスが部下を抱え込みます。ボスが転社すると、みな辞めていってしまうので、この交代方式もうまくいかないかもしれません」

 「インド人は自分の意見を言いますが、固執はしません(ここは僕の国際会議での経験とは違う)。合理的です。そして、ルールはきちんと守ります。他面、日本人のように周囲の空気を読んで柔軟な対応をすることはできません」

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